記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
足底筋膜炎の痛みがなかなか治らないと、自分の行動にも制限がかかり、「いつまでこの痛みと付き合えばいいのだろう…」と不安になりがちです。どうしたら少しでも早く、痛みを緩和することができるでしょうか。
足底筋膜炎のセルフケアを中心にご紹介していきます。
どうして足底筋膜炎がなかなか治らないのか、それは足底筋膜炎の原因が解消されていないからというのが理由のひとつといえるでしょう。
原因として多いのは、足裏の筋肉の硬さです。毎日長い時間歩いたり走ったりしていると、筋肉に疲労が蓄積します。そのままにしておくと動きが悪くなり筋肉も次第に硬くなっていき、その硬くなった筋肉が骨に付着している部分を無理に引っ張って足底筋膜に炎症が起こり、痛みが発生するのです。
ただ、足底筋膜炎は足の裏の筋肉だけが原因ではありません。足の裏はすねやふくらはぎから筋肉がつながっているため、すねやふくらはぎの筋肉が固くなっていると、足の裏の筋肉にも影響が出て足裏筋膜炎を発症することがあると考えられているのです。長期にわたって痛みがあり、足裏の筋肉の硬さをとっても症状が続く場合は、すねやふくらはぎの筋肉に原因があるかもしれません。
なかなか治らない足底筋膜炎を改善するために、おすすめの方法をいくつかご紹介します。
すぐにできる対策は、まず温めることです。温めると血行が良くなり、筋肉が柔らかくなり痛みが和らぎやすくなります。10分程度温めるだけでいいので、自宅でテレビを見ながらでも簡単に行えます。なお、お湯の温度はぬるま湯程度、熱くても40°ぐらいがおすすめです。
ただし、痛みが出始めてから3日以内の急性期に温めてしまうと炎症が悪化することがあるので、この間は控えてください。
足の裏の筋肉は日常生活を送るうえで使わなくてはならない筋肉ですが、できる限り休めて負担を減らしてあげると回復しやすくなります。立ちっぱなしは避けて座るようにする、クッション性のある靴を履く、インソールでアーチをサポートするなど、できる対策はたくさんあります。
マッサージや整体は、痛みを感じない程度の刺激で足の裏を柔らかくほぐすのであれば問題ないでしょう。また、足の裏だけに原因があるとは限らないため、ふくらはぎやすねなども合わせてほぐしてもらうことをおすすめします。
ただし、急性期にマッサージすると悪化することが多く、足の裏の痛みの原因が足底筋膜炎ではない可能性もあります。マッサージや整体を受けるのは、医師に相談してからにしましょう。
足底筋膜炎との付き合いが長くなると、「このままずっと痛みを感じながら生活しなくてはいけないの?」などと不安を感じるものです。そんな方は、今回紹介した方法を試しながら自分にあったケアを見つけてください。
また、病院で診てもらい原因をはっきりとさせることも、適切なセルフケアを決める上で役立ちます。足の痛みがあるときは病院を受診し、セルフケアのアドバイスをもらって気長にケアを続けていきましょう。