記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2022/8/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日焼けやシミの原因となる紫外線は、肌だけではなく目からも吸収されています。目から入った紫外線は、体にどのような影響を与えるのでしょうか。この記事では、目から吸収された紫外線が体に与える影響について、紫外線という光線の説明と紫外線から目を守る方法もあわせて解説していきます。
紫外線とは、人間の目に見える7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)の可視光線の次に位置する光線の一種で、人間の目には見えない光の光線のことです。
人間の目では7色の可視光線以外を目視することはできませんが、大気中にはこれら以外にもさまざまな長短の「光の波長・光線」が存在しています。このうち紫外線は、人間が目視できる最も短い波長の光線「紫」に近い光線であるため、紫の外側にある光線=紫外線と呼称されているのです。このことから紫外線は英語ではUltra Violet(UV)とも呼ばれています。
紫外線には、光の波長の長さごとに以下の3種類が存在しています。以下で説明しているように、紫外線のうち目や皮膚に吸収される「UV-B」と「UV-A」は、目の炎症・疾患や皮膚のシミ・変色の原因となることもあります。
紫外線を直視するなどして「目に直接紫外線を浴びた」場合に考えられる影響としては、おもに以下が挙げられます。
角膜が炎症を起こし、目が赤く充血する、開けていられないほど目が強く痛むなど、俗に雪目と呼ばれる電気性眼炎という状態になります。雪目を何度も経験して角膜にダメージが蓄積されていくと、そのダメージが目全体に及び白内障の原因となることもあります。
長期間にわたって水晶体に紫外線のダメージが蓄積されると、水晶体の酸化・タンパク質化を招き、白濁して白内障の原因となります。白内障になると、本来は透明で光を通す組織が少しずつ白濁していくため、視界の一部ににごりが見えるようになり、放っておくと失明に至ります。
目から紫外線を吸収することによる、「角膜の炎症」や「白内障の進行」を予防するには、紫外線が直接あたらないように目を保護することが大切です。具体的には、以下のような対策が目の紫外線予防に役立ちます。
UVカットのサングラスや眼鏡を使用するだけでも目の正面から入ってくる紫外線の8割をカットできるとされていますが、帽子や日傘を併用することで、全体の9割の紫外線をカットできるといわれています。
紫外線から目の保護すること優先するサングラスや帽子を選ぶときは、以下を参考にしてみてください。
紫外線は目に見えない光線の一種ですが、春先から初秋にかけて線量が多くなり、目や皮膚に影響を与えます。角膜の炎症や白内障など目の疾患をはじめ、皮膚のシミや変色をも引き起こすケースがあるため、眼科的・美容的観点の両方から見て長期間吸収し続けるのは危険です。自分の外出頻度や好みにあわせてサングラスや帽子・日傘などをうまく使い、紫外線対策をしてくださいね。