虫歯じゃないのに歯が痛い・・・それって三叉神経痛かも!

2018/8/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

歯が痛むとき、多くの人は虫歯の可能性を考えますが、実は「三叉神経痛」が原因で歯の痛みが生じる場合もあります。今回はこの三叉神経痛の特徴となる症状や治療法について解説していきます。

虫歯じゃないのに歯が痛いのは三叉神経痛が原因?

「歯が痛むので鏡で見てみたけれど、歯や歯茎には特に異常がない」--もしかしたらそれは、「三叉神経痛」のサインかもしれません。

三叉神経痛は別名「顔面神経痛」とも呼ばれ、この痛みが原因で体力を消耗したり、うつ病になったりするほどの強い痛みがあるといわれています。

三叉神経は、頭部から顔面に存在するとても重要な神経です。脳から顔へと向かって下にのび、目・上あご・下あごの3つに向かって分かれていくので「三叉神経」の名前で呼ばれています。普段私たちはこの神経で痛覚や触覚、温度感(冷覚・温覚)などを感じており、物を噛んだり、舌を動かしたりと、口に関わる動きの大半は三叉神経を介して行われているというほど重要な神経です。

そのため、三叉神経痛になると、何かを食べようと咀嚼したり、口のまわりを触ったりしたときに思わぬ痛みが走ります。何もしていないときに突然痛くなるのではなく、顔における何かの動作や接触をきっかけに痛みが走るのが特徴です。40歳以降、特に女性に多いといわれています。

三叉神経痛と虫歯の痛みの違いは?

噛んだときの痛みというと、まずは虫歯や歯周病を思い浮かべる人が多いかもしれません。虫歯や歯周病の場合、ズキズキとした痛みが一定以上続きます。何もしていない状態でも、痛み出すこともあるでしょう。

一方三叉神経痛の場合は、感じる痛みは鋭く、一瞬、また数秒程度であることが多いのです。このような「比較的すぐに痛みが引く」という特徴のほかに、「季節によって痛みの程度が変化する」という特徴もあります。

必ずしもこれらの特徴が全ての人に当てはまるは限りませんが、原因の特定のためにも、自分で痛みの様子を観察することが重要です。

三叉神経痛だった場合の治療法は?

三叉神経痛にはいくつかの治療法があります。ひとつめは薬物による治療です。最も効果があるとされているのは、カルバマゼピンというてんかんの治療薬です。ただし、ねむけやめまい、肝機能障害などの副作用があるため、投与量は慎重に見極めなければなりません。使用が難しい場合は、ほかの治療薬もあります。

ふたつめは、手術による治療です。三叉神経を圧迫している血管を、切り離す手術を行います。

なお、これらの処置が難しい場合は、放射線による治療や、高濃度の局所麻酔薬による神経ブロックなどの療法が用いられることもあります。

おわりに:虫歯と区別するためにも、痛みのパターンを観察しよう

三叉神経痛になると、何かを食べようと咀嚼したり、話したり、口のまわりを触ったりしたときなどに数秒間鋭い痛みが走ります。虫歯のように一定時間以上、ズキズキと痛むのとは異なるうえ、季節によって痛みが変化するケースもあるようです。正確な診断・治療を受けるためにも、どんなとき、何をしたらどんな風に痛むのかを自分でよく観察しておきましょう。

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