男性のコンジローマの症状、他の性病との見分け方は?

2018/8/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

陰部に謎のできものが発生したとき、真っ先に疑うのが性病(性感染症)の可能性ではないでしょうか。今回はその性病のうち、男性がコンジローマ(尖圭コンジローマ)を発症した場合に出る症状についてお伝えしていきます。

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男性のコンジローマ、症状の見分け方や発生場所は?

コンジローマは、主に性行為を通じて皮膚や粘膜の小さな傷からHPV(ヒトパピローマウイルス)6型・11型に感染したことで発症する性病です。HPVの感染から、およそ3週間〜8ヶ月(平均は3ヶ月ほどです)の潜伏期間を経て、性器や肛門付近にイボが発生します。

まず、男性の場合は、主に以下の場所にイボが発生します。

  • 亀頭の先端部分
  • 冠状溝の周辺
  • 包皮の内側、外側
  • 陰のう(いわゆるたまの袋)
  • 会陰(陰のうと肛門の間)
  • 尿道口
  • 肛門周辺

また、イボの形状などには以下のような特徴があります。

  • イボの色は薄ピンクまたは黒っぽい茶色
  • イボの形状は乳頭状(お椀を伏せた形)、あるいはニワトリのトサカ状(カリフラワーのような形)先端が尖ってザラザラしている
  • 大きさは1~3mm程度のことが多い
  • イボは1個だけでなく、複数発生する場合が多い。それらが重なって1〜2cm近くになることもある

イボの発生場所や形状の特徴で当てはまるものが多ければ、それだけコンジローマの可能性が高いですが、自己判断せず、泌尿器科や皮膚科、性病科などで専門医にしっかり診断してもらうようにしてください

男性のコンジローマで症状なしのこともある?

男性がコンジローマを発症すると、上記のようなイボが発生しますが、かゆみや痛みなどの自覚症状は特にないということも多いです。そのため、目視で確認しにくい場所にできると、発見が遅れることがあります。

ただ、放置していると下着とこすれたときに出血したり、悪臭を放ったりする場合もあります。

コンジローマは自然治癒するって本当?

コンジローマの感染者のおよそ3割は、放置していても自然にイボが消失していくとされています。しかし、イボが消えたからといってコンジローマが治ったとは限りません。原因ウイルスのHPVはたとえ治療をしても完全に取り除くことは難しく、体内に留まり続ける傾向にあるからです。事実、3ヶ月以内の再発率は約25%ともいわれています。

また、コンジローマは放置しているとイボが増えて巨大化したり、患部がどんどん広がったりすることもあります。自然治癒は期待せず、症状がなくなるまで根気よく治療を続けることが大切です。HPVを完全に除去する治療法はまだ確立されていませんが、体の免疫力が高まるにつれて、徐々に症状は出にくくなっていきます。

おわりに:コンジローマは再発率の高い性病。自然治癒は期待せず、症状が出たら病院へ

男性のコンジローマのイボは、亀頭の先端や冠状溝にできる場合が多いです。さらにイボの形状がカリフラワー状で複数発生している場合は、さらにコンジローマの可能性が高くなります。コンジローマは基本的には自然治癒の可能性は低く、しばらくして再発してしまうケースが少なくありません。正確な診断や治療のためにも、該当する症状が出たら泌尿器科か皮膚科、性病科を受診するようにしてください。

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