フケがなかなか取れない…。それ、毛じらみかもしれません

2018/8/28 記事改定日: 2019/9/11
記事改定回数:1回

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

健康な人でも発生することのあるフケですが、このフケと間違えやすいのが、毛じらみなどのシラミの卵です。この記事では、この毛じらみの卵の特徴や、フケとの見分け方を中心に解説します。

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毛じらみの特徴は?

毛じらみ(毛じらみ症)とは、ケジラミという吸血性の昆虫が寄生したことで発症する病気です。主に性行為を通じて、感染者と陰毛同士が接触することで感染しますが、肛門周辺や腋毛、胸毛、まれに髪の毛でも感染が起こることがあります。

毛じらみの主な症状は、陰毛周辺の激しいかゆみと、下着に付着した茶色い粉末(ケジラミの糞便)です。

ケジラミの成虫は、メスの場合1.0~1.2mm、オスの場合0.8~1.0mmぐらいの大きさで、やや褐色をおびた白色をしています。肉眼でも毛にゴマをふったように見えることがありますが、成虫の数によってはわかりにくいこともあります。

毛じらみの卵は肉眼で確認できるの?

ケジラミが産卵した場合は、毛根に近い部分に産みつけられます。このため、毛根のあたりを念入りにチェックすると、肉眼でも確認できる可能性があります。毛に対して斜めにつき、一本の毛に何個も卵がつくのが特徴です。

ケジラミは成虫になってから死ぬまで(約1カ月)の間に30~40個もの卵を産むといわれています。卵は灰色がかった白色で光沢があり、円形に近い形で、大きさは0.5mm程度です。なお、卵はセメントのような物質で固定されているので、指でつまんでもなかなか取ることができません。

毛じらみの卵とフケの見分け方は?

ケジラミの卵はさわってもなかなか動かない一方、フケは簡単に動く、という違いで見分けることもできますが、基本的には皮膚科で診断してもらうことが重要です。ケジラミの場合は、毛根周辺に付着した卵や、ケジラミの虫体をつまんでスライドグラスに乗せて顕微鏡で確認すれば、簡単に診断することができます。

ちなみに、頭髪に寄生するシラミとしては、ケジラミよりもアタマジラミである可能性が高いです。アタマジラミは毛と毛が接触したときにうつる、ケジラミと同じシラミ目の一種です。頭をくっつけて遊ぶことの多い子供の間での感染率が高く、保育園内などで集団発生を起こすこともあります。側頭部や後頭部、耳の後ろに寄生することが多いシラミです。

このアタマジラミの虫体は2~4mmとケジラミよりやや大きく、また爪の形や卵の形も違うので、ケジラミとの識別は簡単です。いずれにしても、皮膚科で判別の検査を受けるようにしましょう。

おわりに:なかなかとれないフケのようなものや、激しいかゆみがあるなら皮膚科へ

  • 髪を触ってもフケのようなものがとれない、激しいかゆみがある場合、毛じらみやアタマジラミが寄生している可能性がある
  • 早期発見・治療のためにも、恥ずかしがらず皮膚科などの専門外来を受診することが大切

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