記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/8/17
記事監修医師
前田 裕斗 先生
性病(性感染症)にはさまざまな種類がありますが、その中でも女性が感染・発症すると特徴的な症状が現れるもののひとつに「トリコモナス」があります。そこで以降では、女性がトリコモナスを発症した場合の症状や、腹痛・出血の有無などについてご紹介していきます。
トリコモナスとは、腟トリコモナス原虫という微生物が性器内に侵入することで起こる、性病の一種です。主に性行為によって感染しますが、下着やタオルの共有など、性行為以外の感染経路で感染するケースも存在します。
このトリコモナスは男性も女性も感染・発症する性病ですが、特に女性に症状が強く現れる傾向にあります。具体的な症状の特徴は、以下の通りです。
泡状で強い悪臭を放つ、黄緑色がかったおりものが出るようになります。また、おりものの量も増えます。
外陰部や腟周辺で、強いかゆみや熱感、ヒリヒリした感覚などが生じます。
腟が炎症を起こしたことで、充血して赤くなることがあります。
これらの症状は、感染してから10日前後の潜伏期間を経て、現れるようになります。しかし、女性患者のおよそ4割にはほとんど自覚症状がなく、知らない間に放置してしまうケースも少なくありません。
トリコモナスの感染に気づかず、長い間放置していると、腟トリコモナス原虫が腟から子宮、卵管へと侵入していきます。そして卵管で炎症を起こし、卵管炎になってしまった場合は、卵子の通り道が塞がることで不妊症の原因となる恐れがあります。
トリコモナスの症状が進行すると、おりものに血が混じることがあります。また、まれに下腹部痛や性交痛、排尿痛などの痛みを伴う場合もあります。
女性がトリコモナスを発症すると、強い悪臭を放つおりものや、激しい陰部のかゆみなどが現れるようになります。特に性行為をした後これらの症状が現れるようになった場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。
また、トリコモナスに感染しても、自覚症状のない女性も決して少なくありません。放置すると卵管炎などに発展する恐れもあるので、性行為の習慣がある方は定期的な性病検査を欠かさず行いましょう。