記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食べすぎや飲みすぎ、ストレスなどさまざまな原因で起こる胸焼け。経験したことのある人は多いでしょうが、薬を飲む場合は、症状にあった薬を選ばなければ効果がないことをご存知でしょうか?
今回は胸焼けのときに飲む薬の選び方のポイントや、症状があるときの過ごし方をご紹介します。
胸焼けは、食べすぎや飲みすぎ、ストレスなどで胃に負荷がかかり続けることでダメージを受け、胃酸の分泌リズムの乱れから胃酸が過剰分泌されることで起こります。胃酸が過剰に分泌されると胃粘膜の損傷や胃酸の逆流が起こり、結果として胃痛や胸焼けの症状が起こる、というわけです。
一般的に、胃薬には「胃酸を出し消化を助けるタイプ」と「胃液の分泌を抑えるタイプ」の2種類がありますが、胸焼けの効果的なのは後者のみです。
このため胃酸の過剰分泌で胸焼けを起こしている人が、胃酸の分泌を促進するタイプの胃薬を飲んでしまうと、かえって逆効果となります。
前述したように、胸焼け改善のために服薬をするなら、胃酸を抑制するタイプの胃腸薬を選ばなければなりません。
胸焼けの改善に適した胃腸薬としては、胃酸を抑える働きのあるH2ブロッカーや、傷ついた胃粘膜を修復する作用のあるスクラルファート配合の薬がおすすめです。
以下からは、胃酸の働きを抑えたり、胃粘膜を修復する作用を持つ市販の胃腸薬の具体例をいくつかご紹介しますので、胸焼けの薬を選ぶときの参考にしてください。
胸焼けの症状がつらいときに市販薬を飲む以外でできることとしては、生活習慣や食事内容を見直して、普段の過ごし方を工夫するという方法があります。
以下に、胸焼けで辛いときの適切な過ごし方を解説しますので、参考にしてください。
胃酸の分泌を促進して胃への負担を増大させる、または食道の筋肉(下部食道括約筋)をゆるめて胃酸の逆流を促進するような、以下の飲食物の摂取は控えてください。
先述した食べ物を控えるのと同時に、以下に挙げるような、消化しやすく胃への負担が少ない食べ物を腹八分目を意識して適量摂るようにします。
生活習慣と食事、そして服装を以下のように工夫して、胃を休ませることを徹底しましょう。
上記の対処法を実践し、かつ胸焼けに効果的な胃腸薬を飲んだにもかかわらず症状が良くならない場合は、背後に胃腸や食道の病気が潜んでいる可能性もあります。
薬を飲んでも改善せず長期化しているときは、病院で診てもらうようにしましょう。
胸焼けは、暴飲暴食やストレスなどで胃の機能が低下し、過剰分泌された胃酸が食道に逆流することで起こります。このため、改善のために胃腸薬を飲むなら「胃酸を増やす」ものではなく「胃酸を抑え、胃粘膜を修復する」薬でなければ、逆効果となります。
胸焼けに有効な薬はドラッグストアでも購入できますが、長期化するなら医師の診断が必要です。つらいときは我慢せずに、早めに内科・消化器科の病院に行ってくださいね。