記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血便や便秘、便の細さなど便の異常が続くのは大腸がんのサインかもしれません。大腸がんのサインを見逃さないためには、がんの兆候をきちんと知っておく必要があります。
この記事では、大腸がんで起こる体の変化や兆候、必要な検査について解説していきます。早期発見・早期治療に役立ててくださいね。
大腸がんと診断される人の半数近くが便の異常に気づくといわれているように、大腸がんになると便には変化が起こりやすくなります。実際に、便の太さや色、硬さや回数などに変化を感じて検査を受けるという人も多いです。
大腸がんで起こる便の変化には、主に下記のものがあります。
大腸がんになると、便が腫瘍と擦れて出血し、血便として排便されることがあります。ただ、このような出血は痔核(いぼ痔)でもみられることがあるため、発見が遅れてしまうことも少なくありません。
大腸がんが進行すると、大腸が狭くなって便が排出されにくくなります。は、ただ、まったく便意がなくなることがなく、少しずつ便意をもよおすようになることで排便の回数が増えていくことがあり、これを下痢と勘違いすることもあるようです。
大腸がんで直腸からS字結腸が細くなると、見た目に便が細くなったように感じます。
大腸がんの兆候は、便の変化以外にもあります。
主な兆候は、体重の減少・倦怠感・食欲低下・おう吐・痛みなどです。顕著に現れる場合もあれば、なんとなく最近体調が良くない気がする・・・という程度の違和感が長く続くこともあります。
このような変化は大腸がんだけに起こる特有の症状ではありませんが、長く続くようであれば、体に何らかの異常が起きていること確かです。ちょっと疲れているだけかな?と見過ごしてしまう人もいるでしょうが、
というような変化があるときは、早めに病院で検査してもらいましょう。がんの治療は早期発見が重要です。兆候が現れたときは、小さなものでも放置しないようにしてください。
また、症状として現れる兆候ではありませんが、大腸がんを患ったことがある家族がいる人は大腸がんの発症率が高くなります。大腸がんは遺伝性が高いがんとされていますので、といわれています。3親等以内の家族が大腸がんを患った経験がある場合は、定期検診を欠かさないようにしましょう。
その他には、便潜血検査で1回以上陽性になった人も、大腸がんのリスクが高いです。2回の便潜血検査のうち1回でも陽性が出たことがある場合は、内視鏡検査をを受けることをおすすめします。
内視鏡検査は、電子スコープがついた管を直接肛門から入れ、大腸内をチェックする検査です。映像でがんを目視で確認できる検査方法で、腫瘍の大きさだけでなく、腫瘍の状態を観察して病巣の進行度(拡がりや粘膜下への浸潤など)を確認することも可能です。
また、異変が見つかったときに、すぐに細胞を採取して病理検査ができることも特徴です。
大腸内視鏡検査は、検査前に腸内を空にする必要があり、下剤で腸の内容物を洗い流すという事前準備は必要ですが、便潜血検査で異常が出ない段階のがんの発見や痔核との鑑別も可能な検査です。
便に変化があるときはもちろんですが、40歳を過ぎたら、定期的に大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。
痩せた、元気がない、調子が悪そう、という異変は周りの人でも気づくことができます。しかし、便の変化は自分しかわかりません。自分の便の状態をしっかりとチェックして、何か異変があったときは、早めに病院で検査してもらいましょう。また、何も変化がなくても、40歳以上の人は定期的に大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。
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