一酸化炭素中毒になる時間ってどのくらい?中毒を招くNG行動って?

2018/8/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

毎年、一酸化炭素中毒で亡くなっている人がいます。こういった悲しい事故を減らすためには、「なぜ一酸化炭素中毒が起こるのか」「どうしたら予防できるのか」などを知っておくことが重要です。予防のために、ぜひこの記事の内容を役立ててください。

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一酸化炭素中毒の症状が出てくる時間はどのくらい?

一酸化炭素中毒を発症するまでの時間は、空気中の「一酸化炭素濃度」が関係しています。その具体的な関係については、以下をご覧ください。

0.02~0.03%
5~6時間経過で頭痛や耳鳴りなど
0.03~0.06%
4~5時間経過で激しい頭痛、嘔吐、悪心、運動能力喪失など
0.07~0.1%
3~4時間経過で頻脈、呼吸数増加、運動能力喪失、意識障害など
0.11~0.15%
1.5~3時間経過で失禁、運動能力完全喪失、意識障害など
0.16~0.3%
1~1.5時間経過で呼吸微弱、心機能低下、血圧低下など
0.5~1.0%
1~2分経過で反射低下、呼吸障害、死亡など

このように一酸化炭素濃度が高くなるにつれて、中毒が起こるまでの時間が短くなります。ちなみに、空気中の一酸化炭素濃度は「0.00005%(0.5ppm)」程度となっています。そのため、日常生活を送っている分には、一酸化炭素中毒を心配する必要がありません。

一酸化炭素中毒は自分では気づきにくい!その理由は?

一酸化炭素中毒に気づきにくい理由は、「一酸化炭素(CO)」の特徴が関係しています。そこで一酸化炭素の特徴を説明しつつ、なぜ自分では気づきにくいのかを解説します。

無色透明で、無臭であるため

一酸化炭素という物質は無色透明なので、見ただけでは認識することができません。さらに無臭でもあるため、においを嗅いでも気づくことができないのです。そのため、気づかない間に一酸化炭素を吸い続けてしまい、中毒を起こしてしまう可能性があります。

初期症状が頭痛や眠気などのため

一酸化炭素中毒の初期症状には頭痛や吐き気など、風邪と似たような症状が見られます。そのため、風邪と勘違いしてしまい、気づくのが遅れてしまう場合があるのです。

酸素よりもヘモグロビンと結合しやすいため

一酸化炭素の特徴は、酸素よりもヘモグロビンと結合しやすいことです。一酸化炭素を吸い続けると、身体に酸素を運べなくなって酸欠状態を引き起こします。そして、運動障害や意識障害なども起こすため、異変に気づけても手遅れになってしまう可能性が高いです。

一酸化炭素中毒を招くNGな行動って?

通常であれば、一酸化炭素中毒を招くような心配はありません。しかし、閉めきった室内で石油ストーブや七輪、ガスコンロなどを使うと、空気中に一酸化炭素が溜まってしまう可能性があります。特にテント内や車内などの狭い空間だと、一酸化炭素が溜まりやすいです。

また、石油ストーブなどを使ったまま眠ってしまうと、就寝中も一酸化炭素を吸い続けてしまいます。そうすると全く気づくことなく、重症を起こしたり、最悪の場合は命を落としたりする危険性があります。そのため、暖房器具を消してから眠った方が安全だといえます。

一酸化炭素中毒を予防する上で欠かせないことは?

一酸化炭素中毒を予防するためには、「室内に一酸化炭素をためない」ことが重要になります。そこで一酸化炭素中毒を予防するためのポイントを3つ紹介します。

調理中などはこまめに換気をする

一酸化炭素中毒を予防するために大切なのは、こまめに換気をすることです。特に調理中は換気扇を使ったり、窓を開けたりする必要があります。また、石油ストーブなどを使う場合は、1時間に5分程度は換気の時間を設けるようにしましょう。

電気ストーブやエアコンを使用する

一酸化炭素は石油やガスなどを燃やすことで発生するので、暖房器具には電気ストーブやエアコンなどを使うことをオススメします。このように同じ暖房器具でも「電気」を使うタイプであれば、一酸化炭素中毒を起こす心配はありません。

万が一に備えてCO検知センサーを取り付ける

一酸化炭素は見た目やにおいでは気づくことが難しいので、CO検知センサーをつけるのも忘れないようにしましょう。センサーを取り付けておくと、中毒を起こす前に一酸化炭素の蓄積を知ることができます。

おわりに:一酸化炭素中毒を予防するには換気が重要

閉め切った室内などに一酸化炭素が溜まり、それを吸い続けると「一酸化炭素中毒」を発症する可能性が高くなります。そのため、予防には換気が重要になるので、窓を開けたり、換気扇を使ったりして、意識的に空気を入れ替えるようにしましょう。

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