不妊の検査で血液検査をするのはどうして?結果からわかることは?

2018/8/20

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

不妊治療の検査では超音波検査や性交後検査(フーナーテスト)など、不妊となっている原因を探るためにさまざまな検査が行われます。その中のひとつが血液検査です。
そこで今回は、血液検査を行う理由や結果からわかることなどをご紹介します。

不妊の検査で生理中に血液検査をするのはなぜ?

生理中に行う血液検査では、卵子を包んでいる袋である卵胞の成長に関わる大切なホルモンの状態を知り、正常に分泌が行われているかなどを調べます。具体的には、母乳の分泌や排卵に関係するホルモンである「プロラクチン(PRL)」、排卵に関係している「黄体化ホルモン(LH)」や「卵胞刺激ホルモン(FSH)」などの値などがわかるといわれています。また月経不順などがみられ、医師がさらに詳しい検査を必要とした場合には、LH-RHテストやTRHテストという負荷試験を行うこともあります。

これらは、それぞれのホルモンを測ることで排卵に関わっているどこの機能に問題があるかを調べるための検査です。このように卵巣の状態を調べることで、不妊の原因を探る手がかりとなります。

血液検査の結果からどんなことがわかる?

不妊治療の際に行う血液検査は、一般的な健康診断で行う血液検査の項目とは異なります。主に身体の中で分泌されているホルモンの種類や量などを調べるのが、不妊治療による血液検査です。これによって、卵巣機能の状態や排卵が正常に行われているかなどを調べることができます。

たとえば、エストロゲンやプロゲステロンは卵胞の成長に関わるなど、妊娠するために重要なホルモンといわれています。この2つのホルモンは、受精卵が着床するためのベッドを作っていますが、ホルモンの分泌に問題がある黄体機能不全などの場合は受精卵が着床することができず、妊娠が成立しなくなります。

また黄体形成ホルモン(LH)が過剰に分泌されていることがわかった場合、多嚢胞卵巣症候群といって卵胞の成長や排卵に問題がある可能性があります。妊娠を望んでいる場合には、血液検査から得られた結果をもとに原因を探り、治療を開始することが必要です。

おわりに:血液検査では、ホルモンの状態などを調べる

妊娠がきちんと成立するためには、ホルモンが正常に分泌されていることなどが必要です。検査によって原因がわかれば、治療を開始することもできます。しっかり検査をし、不妊となっている原因を見つけましょう。

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