いぼ痔の痛み、どうすれば解消できる?痛みは予防できる?

2018/8/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

いぼ痔の痛みはどうすれば解消できるのでしょうか?また、痛みを予防することはできるのでしょうか?いぼ痔の痛みについて解説していきます。

いぼ痔の痛みを緩和させる方法は?

いぼ痔で急激に痛みを感じた場合は、身体を楽な体勢にして力を抜きましょう
身体は痛みを感じると硬直して肛門にも余分な力が入ってしまうため、痔の痛みが増幅されていまいます。近くにソファーや布団がある場合は、膝を軽く曲げた状態で横向きに寝そべり安静にしましょう。

症状を緩和するためには、お尻を温めて血行を改善することが有効なため、40℃以下のお湯のお風呂や半身浴で身体を温めましょう。痛みが強く、入浴が難しい場合は、カイロやホットタオルを使い患部を温めるといいでしょう。
ホットタオルは濡らしたタオルを電子レンジで30秒ほど温めると作れます。
カイロを使用する時は直接患部に当てるのではなく、ハンカチや下着ごしに当てるようにしましょう。

いぼ痔の痛みに市販薬で対処できる?

比較的症状が軽い痔核や裂肛は、生活の改善や市販薬の使用により治療することができます。ただし、痔瘻の場合は医療機関で治療を受ける必要があります。
市販薬の種類は、症状や使用方法を考慮して選ぶようにしましょう。

外用薬

炎症、痛み、かゆみを抑える成分や、殺菌作用のある成分が配合されています。
症状に合ったものを選びましょう。

軟膏
裂肛や外痔核などの肛門周辺、または肛門外側にある痔への使用に適しています。
坐剤(座薬)
内痔核のような肛門内部にある痔への使用に適しています。
注入軟膏
手を汚さずに使用することができ、内部への挿入時にも異物感が少ないとされています。
裂肛、内痔核、外痔核など肛門の両側(内側と外側)の痔に対して使用できます。

内服薬

鎮痛効果、止血作用、炎症抑制作用のある成分が配合されており、生薬が配合されているものは便通改善に有効だとされています。

市販薬の使用は短期間にとどめ、薬を使用しても症状に改善が見られない場合や、症状を繰り返す場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。他の病気である可能性もあります。
また、早期に治療を開始できれば、手術を行わずに治療できたり、早期回復が期待できます。

いぼ痔の痛みを予防するには?

いぼ痔は、食物繊維の摂取量の不足や高脂肪食などの食生活の乱れ、長時間の座りっぱなし、睡眠不足などが原因のことが多いです。また、便秘や下痢、排便をがまんするなど、排便習慣の影響が原因になることもあります。
普段の生活では

  • 繊維質の多い食品を日頃から摂取するなど、栄養バランスに気をつけ、便秘を予防しましょう。
  • 朝食は必ず摂り、その後トイレに行ける時間の余裕を持つようにしましょう。
  • ストレス発散や腸の働きをよくするため、適度に運動をしましょう。
  • 下剤を使用する場合は、病院で処方される効果が比較的穏やかな下剤を使用しましょう。
  • 牛乳、アルコール、香辛料、冷たいもの、食物繊維、脂っこいものなど、下痢を引き起こしやすい食物の過剰摂取は控えましょう。
  • 疲労や睡眠不足を解消して、体調を良好に保ちましょう。

といったことを心がけましょう。
また、肛門部に負担をかけたり血流を阻害させないために、下記のことにも注意してください。

  • 短時間で出し切ろうと強く息むことは避け、肛門に負担をかけないようにしましょう。
  • 入浴を毎日行いましょう。
  • 排便後は可能な限り肛門を洗浄しましょう。
  • 身体が冷えないようにしましょう。
  • うっ血により痔を悪化させないように、長時間の同一姿勢は避けましょう。
  • 疲労やストレスを溜めこまないようにしましょう。
  • 激しいスポーツは避けましょう。

おわりに:痛みを予防するために日頃の生活の改善を

いぼ痔や切れ痔の痛みを緩和するためには、楽な体勢になって力をぬいたり、お尻を温めて血行を改善したりすることが有効とされています。比較的症状が軽い痔核や裂肛は市販薬の使用も効果的なため、自分の症状に合ったものを選びましょう。
また、いぼ痔の痛み予防に有効な対策はたくさんあるので、実践できそうなものから始めてみてください。

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