記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/1/17 記事改定日: 2018/2/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
太りすぎはメタボや肥満など、身体に悪いことはよく聞くと思います。このため、ダイエットに励む人がたくさん出てくるのですが、実は痩せすぎも身体に悪いのです。この記事では、痩せすぎのリスクとその改善策についてご紹介します。
「痩せすぎ」「ずいぶん細いね」と言われたことはありませんか? 低体重ではないかと思ったら、BMI(体格指数)を確認してください。BMIが正常な範囲を下回っていたら、痩せすぎの可能性があります。
BMIを確認した結果、痩せすぎだとわかった場合、その原因を考えることが大切です。痩せすぎの原因として、以下のようなものが考えられます。
・体調が悪い
・朝食や昼食の代わりにお菓子を食べている
・ストレスや心配のせいで食欲を失っている
・ダイエットしている(健康的な体重より細く見せたい)
健康的な食事ができないために痩せすぎてしまうのは、精神面での問題が隠れている可能性があります。もし、食べ物のことを考えると不安になったり、ストレスや自尊心の低さに対処するために食事をコントロールしている実感があるときは、摂食障害の可能性がありますので、医師に相談してください。
そのほか、甲状腺の病気など医学的な理由で痩せすぎになってしまうケースもあります。
痩せすぎると、健康面で悪影響が及ぶ可能性があります。主な健康上のリスクとして、以下の2つが挙げられます。
痩せすぎの場合、健康でバランスのとれた食事が摂れていない可能性があるため、身体が正常に機能するために欠かせない栄養素が不足している可能性があります。たとえば、カルシウムは強くて健康な骨を維持するために重要ですが、不足すると骨の維持が難しくなって骨粗しょう症の発症リスクが増加します。また、鉄分が不足している場合、貧血になる可能性があります。
痩せすぎると免疫力が100%ではなくなるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
女性の場合、痩せすぎると月経(生理)が遅れたり、止まってしまうことがあります。その場合、不妊のリスクが高くなる恐れがあります。
痩せすぎの女性が妊娠後も痩せすぎの状態で過ごすと、赤ちゃんが低体重児で生まれたり、切迫早産や早産になるリスクがあります。また、最近の研究によると、低体重児で生まれた赤ちゃんは、将来将来虚血性心疾患や2型糖尿病、高血圧といった病気を発症するリスクが高くなる可能性があるとも言われています。
痩せすぎの原因が食事だった場合、年齢や身長、普段の運動量に見合う食生活に改善することが大切です。1日に3回、健康的でバランスのとれた食生活を心がけて、健康的に体重を増やしていきましょう。
毎日の食事では、さまざまな種類の果物や野菜、炭水化物(米やパン、パスタなど)やたんぱく質(豆、魚、卵、肉など)を摂りましょう。また、週に2回は魚を食べるようにしてください。その際、2回のうち1回はサケやサバといった油分の多い魚を食べてください。もし、脂肪分や塩分、糖分が多い食べ物や飲み物を多く食べているなら、量や回数を減らしましょう。
また、妊娠中の女性が痩せすぎを改善する場合、以下のような栄養素を積極的に摂ることも大切です。
・カルシウム(魚、乳製品、豆腐など)
・ミネラル(のり、ひじきなど)
・ビタミン(豚肉、鶏のささ身、レモンなど)
・鉄分(ほうれん草、赤身の肉・魚、レバーなど)
痩せすぎると、貧血や骨粗しょう症といった症状を引き起こすリスクが高くなります。また、妊娠した女性が痩せすぎたままでいると、赤ちゃんの健康にも影響が及ぶことが明らかになっています。BMIを計算して痩せすぎだとわかったら、まずは食生活の改善から始めましょう。