記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/11 記事改定日: 2019/7/2
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
激しい腹痛や嘔吐など、お腹のあたりの様子がどうもおかしい……。そんな症状がみられたら、小腸閉塞(小腸イレウス)の可能性があります。この記事では、子供からお年寄りまで年代を問わず発症する小腸イレウスについて紹介します。
小腸は体の中で最も長い臓器です。およそ6mほどの管のかたちをしていますが、ぐるぐると曲がりくねった状態で体の中に収まっています。胃や十二指腸で消化された食べ物を分解し、栄養素を吸収する働きを持ちます。
小腸イレウス(小腸閉塞)は、腸の内部を通る食べ物や消化液、ガスなどの流れが止まってしまう病気です。口から入った食べ物や体内で分泌される消化液は、食道を通過し肛門から排出されるまで、一方通行で流れていくのが正常な状態です。小腸管がふさがると食べ物や消化液がそこに溜まってしまい、さまざまな症状を引き起こします。
小腸イレウスは原因によって分類され、症状がそれぞれ異なります。
腸管に変形などの異常が発生し、食べ物や消化液の通過を妨げます。小腸イレウスの約9割が機械的腸閉塞によるものです。腸管に血行障害が認められるかどうかで、さらにふたつのタイプに分類されます。
腸の働きに異常が発生し、イレウスを引き起こします。腸管が麻痺または痙攣し、食べ物や消化液の流れが止まることを原因とします。麻痺性イレウスと痙攣性イレウスがあります。
小腸イレウスの診断ではまず問診と血液検査を行います。それから発症を疑われる部位を特定するための検査に進みます。レントゲン(X線)検査で患部の特定ができる場合が多いですが、そのほかCT検査や超音波検査なども実施されています。
治療の基本は保存療法で、絶食と点滴です。口から水分や栄養分を摂取すると、消化管を働かせ負担をかけてしまいますので、点滴での水分・電解質の補給でエネルギーを確保します。そのため入院しながら治療を行うのが一般的です。
小腸イレウスは原因によって分類されますが、治療法もそれぞれ異なります。保存療法のほかに行う治療法を紹介します。
小腸イレウスはお腹の手術を受けたことがある人や普段から便秘気味の人などが発症しやすい傾向にあります。
小腸イレウスのリスクが高い人は日常生活の中で次のような点に注意しましょう。
水分や栄養分の消化吸収を阻み、危険な血行障害を引き起こす可能性のある小腸イレウスは、早めに治療をスタートさせましょう。特に複雑性イレウスは命に関わる病気です。異変を感じたら外科手術を行っている病院を受診してください。
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