痛みを伴う病気の症状について(その1)

2017/4/5

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

病気になると痛みが生じることが多いですが、ここで取り上げる病気はいずれも、特に痛みが強いと言われているものです。ここでは痛みが強い病気として、帯状疱疹、群発頭痛、五十肩、骨折、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を取り上げます(なお、特定の順位に基づいて紹介している訳ではありません)。

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帯状疱疹

帯状疱疹は、最も痛みを伴う病気のひとつです。これは水疱瘡の原因でもある水痘・帯状疱疹ウィルスが原因で発症するもので、赤みや水ぶくれが体の片側、あるいは腰周りに現れるのが特徴です。

帯状疱疹による痛みは、焼けるようなものだったり、ちくちくしたものであることが多く、体の片側にしか発症しないこともあります。ひどい場合は、誰かに帯状疱疹の出ている肌に軽く触れられたり、息を吹きかけられたりしただけで、突き刺すようなつらい痛みを感じることもあります。

肌に出た症状が治った後も痛む場合は、帯状疱疹後神経痛にかかっていることが考えられます。

群発頭痛

群発頭痛は「自殺的な頭痛」とも呼ばれます。あまりにもひどく痛むため、その痛みに耐えられず、自殺したくなる衝動にかられてしまうためです。

群発頭痛は予兆なしに突然襲ってくるもので、片目の周りに鋭く、突き刺すような痛みが生じます。その痛みは、重症の偏頭痛をも上回るとさえ言われています。この痛みは最低でも15分、長いときは3時間以上続く場合もあります。

五十肩

この症状は極度の痛みを伴うだけでなく、適切な治療をしないと何年も痛みが続く可能性があります。

五十肩になると関節がとても堅くなるため、腕を上げるといった簡単な動作さえ行うことができなくなります。つまり、Tシャツを脱いだり、何かを持ち上げたり、髪をとかすといった、日常的な動作がほとんどできなくなってしまうのです。

五十肩の原因はまだ明らかになっていませんが、肩や腕に怪我をした後に起こることがあります。また、糖尿病の人は五十肩になりやすいと言われています。左右どちらの肩でも五十肩になりますがが、きき腕でない方の肩が五十肩になることが多いようです。

薬局で販売されている薬や処方された鎮痛薬を服用するのに加えて、肩まわりの運動を行うと、症状を和らげることができます。

骨折

骨折は、軽いものであればまったく痛みを感じないこともありますが、多くの場合、痛みを伴います。特に、折れた骨を動かそうとするときに痛みが強くなります。

骨折は自然に治るものですが、適切な位置に骨を戻す必要がある場合、骨を動かす(整復する)ことになります。一般的に、年齢を重ねるにつれて骨折する骨の部位が大きくなるので、直るまでに時間がかかります。

複合性局所疼痛症候群(CRPS)

骨や軟組織をケガすると、ひどい痛みとともに生じるのが複合性局所疼痛症候群(CRPS)です。どの年代の人にも起こる可能性がありますが、40~50代の女性が最も発症しやすいと言われています。

CRPSによる焼けるような痛みは長く続くもので痛みも激しく、もともとの怪我の痛みを上回ることもあります。また、もともとのケガが指1本だったとしても、痛みは脚全体または腕全体に広がることがあります。痛みがケガをしたのと反対側の手足に移ることもあります。

CRPSによる痛みは数年間続くことがあり、この症状に対する治療法は現在見つかっていません。当面は、理学療法や薬の投与などを行いながらCRPSとうまく付き合っていくことになります。

おわりに:症状が出てしまったら

いずれの症状も激しい痛みを伴うだけでなく、その期間も比較的長期にわたるものが多いです。ご自身がこうした病気になったときはもちろん、周囲の人がかかってしまった場合も、なるべく早く医師の診察を受け、症状を少しでも和らげるようにしましょう。

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