最近話題のマインドフルネス療法とは?―効果や方法について

2017/4/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

仕事や家庭、そのほかさまざまなことに追われるように毎日を過ごすことは、一見大変そうに感じますが、目の前にやってきた出来事をただこなせばいいだけなので、ある意味ラクかもしれません。でも、ほんのちょっとでも立ち止まって、自分が今何を考えているか、周囲はどんな環境になっているか、そして今、自分が何をしようとしているのかにもっと意識を向けてみてください。たったそれだけで、精神面の健康を高めることができるのです。それが、マインドフルネスと呼ばれる療法です。

マインドフルネス療法とは

マインドフルネス療法とは、自分の周りで起きていることに完全に意識を集中させることです。

マインドフルネス療法で重要なのは、自分の体の動きや五感を通して感じていることに意識を向けることです。たとえば、今自分の目の前に何があるのか、どんな音が聞こえているのか、どんな匂いがするか、今食べているものの味や食感がどんなものかを意識して感じてみるのです。

マインドフルネス療法のもう1つ重要な側面は、瞬間的に起きる思考や感情のままに流されるのではなく、いったん心の動きを止めてなぜそのような感情が起きたかを受け止めることです。

マインドフルネス療法が精神面に与える効果

マインドフルネス療法を活用すると集中力が高まるだけでなく、自分の生活をポジティブに受け止められるようになります。今まで当たり前に経験してきたことも、新鮮に感じられるようになるのです。また、自分自身をより深く理解するきっかけになるので、自分の感情をよりコントロールしやすくなるという効果もあります。

マインドフルネス療法の取り組み方

マインドフルネス療法は即効性のあるものではなく、毎日取り組みながら効果を徐々に高めていくものです。また、慣れないうちは気が散ってしまうことが多いので、段階を踏んで取り組むことが大切です。

日常生活の中で

たとえば自宅のドアノブを触るときやマグカップを握るとき、あるいは電車を待っているときに、今自分が持っているものの温度や形、周囲の風景に集中してみましょう。些細なことと思うかもしれませんが、少しだけ意識を変えることにより、今まで気づかなかったことに気づくことができるかもしれません。

日常生活でマインドフルネス療法を取り入れるときは、朝の通勤時や昼食時の散策など、時間を決めて取り組むのがお勧めです。

自分の思考を観察する

何もしない状態になった途端、色々な考えや心配事が頭の中に渦巻いてしまう人もいます。このような人は、自分がマインドフルネス療法を行うのは難しいだろう、とあきらめている場合が多いです。集中するためにはこうした思考を追いやらなければいけない、と考える人が多いのですが、マインドフルネスでは逆に、「これは心の動きのひとつである」と自然に受け止めます。

マインドフルネス瞑想を取り入れる

日常生活の中にマインドフルネス療法を取り入れるとともに、マインドフルネス瞑想に取り組む時間を作るのも、マ効果を高めるのに役立ちます。

マインドフル瞑想は背筋を伸ばして座ります。視線は下に落とし、ゆっくりと呼吸をします。いろいろな思いが浮かんでくるかもしれませんが、無理に抑えようとせず、流れに身を任せます。

おわりに

マインドフルネス療法は、日々の生活の中で当たり前のように行っていることに改めて意識を集中させることで、自分の状態を客観的に捉えられるようになる方法です。マインドフルネス療法の中には、日常生活でも取り入れやすいものがありますから、「忙しいからそんな時間取れない」と思わず、身近な動作に集中することから始めてみましょう。

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