ガングリオンができるのは手の使いすぎが原因?どうすれば治るの?

2018/11/12

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

関節にできるこぶのようなもの「ガングリオン」は、なぜできるのでしょうか。手の使いすぎで発生することはあるのか、またガングリオンの治療法など、詳しく解説していきます。

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ガングリオンってどんなもの?

ガングリオンとは、手首や指の付け根、手の甲など、関節のどこにでもできる良性のこぶです。ガングリオンの中には、ゼリー状の物質が詰まっています。通常は痛みがなく、皮膚が赤くなることもありません。ただし、神経の近くにできた場合には、神経を圧迫してしびれや痛み、運動麻痺などの症状が起こることもあります。

大きさはさまざまで、小豆くらいの小さなものから2~3cmほどのことが多いです。膝の後ろにできた場合には、ピンポン玉くらいの大きさにまでなることもあります。また、手を使いすぎたことによって、ガングリオンが大きくなってしまう例も見られます。子供から高齢者までどの年代でもでき、特に女性に多く発症することがわかっています。

ガングリオンができる原因は?

ガングリオンがなぜできるかは、現在のところよくわかっていません。

そもそも関節や腱には、滑液と呼ばれる曲げ伸ばしを滑らかにする潤滑液の役割をする液体があります。この滑液が関節を包む袋が突出したところに流れ込み、中にゼリー状になると腫瘤といわれるこぶを作ります。これがガングリオンです。

ガングリオンは自然にできることがほとんどで、打撲や捻挫などの外傷や関節などの使い過ぎで起こることは稀です。また、骨や筋肉、神経のガングリオンは、粘液の性質が変わって融合することによりできると考えられています。

関節にこぶのようなものを見つけたらどうすればいいの?

関節にこぶのようなものを見つけたら、受診して検査をしましょう。ガングリオンは、腫瘤に注射針を刺したときにゼリー状の内容物が吸引できるかどうかで診断します。外側から触れない小さなガングリオンの場合には、MRIや超音波検査を行います。

ガングリオンは多くの場合、良性であり痛みもないため大きくなければそのまま様子を見ます。しかし、神経や血管の近くに発生し、痛みやしびれなどの症状がみられる場合や、大きい場合には治療対象となります。

治療では、注射器で腫瘤の中にあるゼリー状の内容物を抜く穿刺治療を行います。ただ、一度内容物を抜いても、しばらくするとまた再発することもあります。しかし、何回か穿刺治療を行ううちに治ることが多いです。それでも再発が続いたり大きくなる場合や、痛みやしびれが強い場合には、手術を行います。

おわりに:ガングリオンは自然にできる良性腫瘤、気になれば受診を

ガングリオンは自然にできる良性腫瘤のひとつです。手の使い過ぎでできることはなく、慌てて治療しなくても自然に治ることが多いです。また、多くの場合は無症状で生活に支障が出ることもありません。

しかし、手首の痛みがいつまでも続くオカルトガングリオンや、神経付近にできたことでしびれなどを生じる場合もあります。気になる症状があれば、まずは病院を受診しましょう。

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