記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
あかぎれやひびは、冬場の食器洗いや洗濯物など、水仕事の後にできやすく、皮膚がぱっくり割れ、水がしみたときは特に痛みを感じる厄介な皮膚疾患です。この記事では、あかぎれやひびの予防や症状緩和に役立つハンドケアについて解説していきます。
あかぎれやひびを予防するには、以下のハンドケアがおすすめです。
あかぎれやひびは、外気温の低下や乾燥によって皮脂や汗が皮膚から奪われ、水分不足になった結果起こります。そのため、寒い冬場はワセリンなどの保湿効果の高いクリームなどを塗り、肌の潤いやバリア機能をキープすることを習慣化することが大切です。クリームを塗るタイミングとしては、お風呂上がりなど角質に水分が含まれている時間帯がおすすめです。
また、お風呂上がりにクリームを塗った後、綿製の手袋をつけて寝るのもおすすめです。睡眠中に肌のケアが行われ、朝起きたときにはしっとり潤いのある肌になっていることが実感できるかと思います。
ハンドクリームを塗るとき、以下の手順でハンドマッサージも兼ねて行うと血流や発汗を促せます。
食器洗いなどの水仕事が多いと、角質の水分を維持する皮脂膜や保湿成分が奪われてしまうため、手が乾燥してあかぎれやひびが起こりやすくなります。水仕事の際は、事前にゴム手袋などを着用しましょう。ゴム手袋だとかぶれてしまうという方は、ゴム手袋の中に綿製の手袋を着用することで対処できます。
熱すぎるお湯は皮膚に必要な保湿成分を奪い、さらなる乾燥の原因になってしまいます。手洗いや水仕事の際はぬるま湯にし、低刺激のせっけんを使うようにしましょう。
実際にあかぎれやひびができてしまったときは、以下のハンドケアを行うことで症状の緩和が目指せます。
あかぎれやひびができているときに水仕事をすると、さらに症状が悪化することがあります。患部には通気性の良いメッシュ素材の絆創膏を貼り、その上からゴム手袋で覆うようにして、手が直接水に触れないようにしましょう。
あかぎれやひびには、保湿成分のグリセリンや、血行を促進するビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)などが含まれた軟膏が症状緩和に役立つ場合があります。皮膚科を受診すると、傷用の抗生剤軟膏や手荒れの治療薬のステロイドの塗り薬なども処方してもらえるので、痛みがひどい場合は悪化する前に診てもらうようにしましょう。
あかぎれやひびができてしまったときは、手洗いや水仕事はなるべく最小限に留めるようにしましょう。そして痛みやかゆみを広げないために、保湿をこまめに行うことが重要です。保湿用のクリームとしては、ワセリンなどの皮膚への刺激が少ないものがおすすめです。皮膚をこするのではなく、ゆっくりと皮膚に塗りこむイメージで使うようにしてください。
気温が低下し、空気が乾燥する冬場は、しっかりハンドケアを行わないとすぐにひびやあかぎれができてしまいます。ひびやあかぎれで毎年困っているという方は、ご紹介したケアをぜひ取り入れてみてください。
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