暖房と過剰な加湿が咳を招く!? 冬のカビに要注意

2018/12/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「冬場は風邪を引かないように、暖房と加湿で部屋を暖かくする」というのは常識ですが、いくら暖かくしても咳が止まらない場合、冬のカビによるアレルギー反応が疑われます。特徴的な症状や詳しい原因について、以降で解説します。

エアコンの暖房をつけると途端に咳が…これって何かのアレルギー?

家やオフィスでの暖房器具に、エアコンを使用されている方はとても多いことでしょう。ただ、エアコンのフィルターの掃除はしっかりやっていますか?「エアコンをつけると急に咳が出る」場合は、フィルターに存在するカビが原因で、アレルギー反応として症状が出ている可能性があるのです。

このカビの正体は、「クラドスポリウム」という名前のクロカビです。クラドスポリウムは冬に増えるカビの代表格ですが、室内で一番多く存在するカビでもあり、洗面所や浴室、トイレ、シンク下などによく発生します。またこうした湿度の高い場所だけでなく、比較的湿度が低いとされるエアコンのフィルターやほこりの中にも存在します。

クラドスポリウムの感染力はそこまで強くはありませんが、エアコンのフィルターからクラドスポリウムの胞子を継続的に吸い込み続けていると、咳やのどの痛み、痰、鼻水といった呼吸器系のアレルギー症状が現れるようになります。
特に、「2週間以上咳が止まらない」「夜中から明け方にかけて咳がひどくなる(喘鳴はない)」など咳の症状が強い場合、「咳ぜんそく」を発症している可能性があるので早めに呼吸器科を受診してください。

過剰な加湿がカビを増殖させる

咳を招くクラドスポリウムは、窓のパッキン部分など結露する場所を好むという性質をもちます。結露は外気と室内の温度差が大きいと発生するので、つまり加湿による室温の上昇も結露を招く要因になります。

適度な加湿は乾燥や風邪予防に効果的ですが、窓の結露は湿度が高くなりすぎているサインです。乾いた布などですぐに水気を拭き取り、換気をしましょう。
また、加湿の手段は加湿器だけに限りません。洗濯物を部屋干しするのも有効な加湿方法なので、ぜひ取り入れてみてください。

エアコンのカビが原因で肺炎を起こすことも

エアコンに潜むカビはクラドスポリウムだけではありません。中には「アスペルギルス」という、アレルギー性肺炎を引き起こすカビが存在しているケースもあります。

アスペルギルスはアオカビの一種で、免疫力が弱っている人が吸い込むと「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」という肺炎を招くきっかけになります。エアコンの暖房を始めてしばらく経ってから、激しい咳やヒューヒューといった喘鳴など、気管支ぜんそくと似た症状が出た場合は病院を受診しましょう。

おわりに:エアコンの定期的な掃除&湿度管理でカビ対策を

多くのカビは25℃以上の温度と60%以上の湿度で発生し、湿度が80%を超えると急激に増殖するといわれ、冬の室内はまさにカビの増殖しやすい環境です。エアコンのフィルターは2~3週間に1回の頻度で掃除し、結露が起こらないように湿度管理をする、といった対策を徹底しましょう。

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