咳喘息とは ― 喘息と何が違うの?治療法は?

2018/7/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「咳喘息」という病名を聞いたことはありませんか?では、この咳喘息と喘息にはどのような違いがあるのでしょうか?また、どのような治療を行うのでしょうか?咳喘息と喘息の違いや治療法について解説していきます。

風邪の咳が止まらない・・・これって喘息?

風邪が治った後も、咳が数週間続く場合は、咳喘息の可能性があります。そのほか、感染後咳嗽などさまざまな原因が考えられます。
咳喘息は、気管支喘息の1歩手前の状態で、気道に炎症が起こることにより発症します。室内外の温度差・受動喫煙・運動・飲酒・ストレス・ほこり・ダニなどの刺激に身体が過敏に反応することにより、咳が出始め、止まらなくなります。

特にアレルギーのある人の発症率が高く、これはアレルギー反応により気道が炎症を起こしやすいためだとされています。また、風邪に伴って発症することもあり、風邪が治った後に2~3週間以上咳が止まらない場合は、咳喘息の恐れがあります。

咳喘息は特に女性の発症率が高く、再発を繰り返すこともあります。症状に心当たりがある場合は一度、呼吸器科・アレルギー科・耳鼻咽喉科などの専門医を受診しましょう。

喘息と咳喘息の違いは?

咳喘息になると、空咳(からぜき)が1ヶ月以上の間続き、重症の場合は1年以上咳が続くことがあります。ただし、喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難、発熱、痰などの症状は起こりません。咳喘息は喘息の手前の段階ともいわれており、放置しておくと本格的な喘息に進行する可能性があるため、早期治療が望まれます。

咳喘息の症状の特徴

  • 夜中から明け方に咳が酷くなる
  • 気温差により咳が出やすくなる
  • 喫煙により咳が出る
  • 喉がイガイガする感じがする
  • 長話をすると喉が渇く、枯れる
  • 咳をすると胸が痛んだり、嘔吐、失神することがある

咳喘息だった場合の治療法は?

咳喘息には、風邪薬・抗生物質・咳止めなどを服用しても効果がなく、治療では気管支拡張薬や吸入ステロイド薬などが用いられます。

まず始めに、気管支拡張薬を投与して様子を見て、ある程度咳が改善されたら、吸入ステロイド薬の治療を行います。吸入ステロイド薬は1/1000mg単位の量でも、気道の炎症を抑える効果があり、副作用が少なく長期間の使用もできます。また、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬を配合した薬や、抗アレルギー薬が使用されることもあります。

薬を服用して一時的に症状が改善されても、自己判断で断薬したり使用をやめたりしないようにしましょう。基本的に、服薬治療は数か月間継続します。
咳喘息患者の約30%は喘息に移行するとされているため、早期に薬による治療を行う必要があるのです。特に、吸入ステロイド薬には「咳症状の改善」「喘息への移行を防ぐ」効果があるため、咳喘息の段階での治療が望まれます。

咳が長引くときは病院で診てもらおう

自己判断で、風邪による咳と喘息の症状を見分けることは難しいので、医療機関を受診し、咳の原因を特定しましょう。基本的には、呼吸器科やアレルギー専門の病院を受診するのがおすすめです。周りに喘息で通院している人がいれば、かかりつけの病院を教えてもらうのも良いでしょう。

また、病院を受診した際には、以下のような項目について医師に伝えるようにしましょう。特にお子さんの場合は、親御さんの意見が診断をする上で重要な判断材料となります。喘息を見逃さないために、詳しく症状を説明するようにしましょう。

  • いつから咳の症状が出ているか
  • 咳が酷くなる時間帯
  • 咳によって苦しくなることはあるか
  • 咳が出るときに運動はしていたか
  • ストレスの度合い(大人の場合は特にストレスが原因となることがあるため)

おわりに:咳が2週間以上続く場合は呼吸器科の受診を

咳喘息は、気管支喘息の1歩手前の状態で、気道に炎症が起こることにより発症します。ただし、喘息で起こるような喘鳴や呼吸困難、発熱、痰などの症状は起こりません。

咳喘息は本格的な喘息ではないものの、将来的に喘息に移行する可能性があるため、早期治療が望まれます。気になる症状がある場合は、呼吸器科やアレルギー専門の病院を受診しましょう。

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