記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
インフルエンザの症状といえば高熱や全身の倦怠感が一般的ですが、鼻づまりの症状が現れることはあるのでしょうか?インフルエンザによる鼻づまりをスッキリさせる、おすすめの解消法をと併せて解説します。
インフルエンザというと、高い熱や倦怠感などの症状が特徴的です。しかしそれだけではなく、鼻水や鼻づまりなど、鼻にも風邪のような症状が出ることもあります。鼻の内側の粘膜も炎症を起こし、腫れてしまうことがあるからです。
また、風邪のときは、引きはじめに鼻水や鼻づまりの症状が出ることが多いですが、インフルエンザの場合は、熱が下がった治りかけのころにこのような症状が出やすいかもしれません。緑色や黄色など、膿が混じったような鼻水の場合は、二次的な細菌感染を起こしている可能性もあります。
インフルエンザによる鼻水であれば、まずはインフルエンザを治療することが大切です。
医療機関を受診し、抗インフルエンザ薬を服用しましょう。ほかにできることとしては、鼻づまりに対する一般的な対策が有効です。
たとえば、「温かい飲み物を飲む」「鼻の根本を蒸しタオルで温める」などの鼻を温めるような対策が挙げられます。鼻を温めると鼻孔が拡がり、粘膜の血流もよくなることがあります。
ほかにも、わきの下を軽く圧迫するなどの交感神経を活発にする対策などもおすすめです。交感神経の働きが活発になると、鼻の血管が収縮して、鼻の通りがよくなるでしょう。
たいていの場合は、インフルエンザがよくなるとともに、鼻水、鼻づまりの症状も改善されていきます。しかし、症状がなかなか治まらない場合、副鼻腔炎になっている可能性があります。
副鼻腔炎は、副鼻腔と呼ばれる鼻の穴まわりの空洞に起こった炎症です。副鼻腔は、鼻のまわり、頬や額におよぶ空洞で、左右4個もあり、副鼻腔が炎症を起こすと鼻水、鼻づまりの症状が出るのです。また、副鼻腔は顔の中で広範囲に存在するため、目や頬の痛み、頭痛などを伴うこともあります。
治療法としては、継続的なステロイド薬の投薬が一般的です。しかし場合によっては、副鼻腔の入り口を拡げるための内視鏡手術が必要になることもあります。また、慢性的なものになると治りにくくなるので注意が必要です。
最近では、「好酸球性副鼻腔炎」という、治りにくいタイプの副鼻腔炎があり、症状が重い場合は難病に指定されるほどの病気になる可能性もあります。
そのため、1週間ぐらい経っても鼻水・鼻づまりの症状が改善されない場合は、速やかに耳鼻科を受診したほうがよいでしょう。
鼻水、鼻づまりの症状は、風邪だけでなくインフルエンザの場合でも出ることがあります。タイミングとしては、比較的症状が落ち着いてきた、治りかけのときが多いかもしれません。しかし、インフルエンザの症状が改善しても1週間以上鼻水が出続けてよくならない場合は、副鼻腔炎の疑いもあるので早めに病院を受診するようにしましょう。
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