記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/4/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
まだ首もすわってなくてこわれもののような赤ちゃん、初めて入浴させるのは緊張しますよね。赤ちゃんはとても汗っかき。お風呂に入れてきれいにしてあげましょう。
入浴は、赤ちゃんとのスキンシップにもなります。この記事では、赤ちゃんの入浴での注意点や上手な洗い方をまとめました。
赤ちゃんが床や地面の上で汚れるまで、衛生的には毎日のお風呂は必要ありません。赤ちゃんは週に1~2回お風呂に入ればよいのです。へその緒が隠れるだいたい生後1~4週間は、最初は新生児用のスポンジバスでかまいません。その後、赤ちゃん用のバスタブを使い入浴させます。
最終的には、大人と同じバスタブに入れてあげましょう(大人と同じバスタブを使うのは、赤ちゃんが自力で立つことができて、赤ちゃん用のバスタブだと小さすぎるときです)。
赤ちゃんをお風呂に入れる目的は、きれいにすること以上に、赤ちゃんとスキンシップをはかることです。
お風呂で、赤ちゃんの世話をすることで、赤ちゃんのことを理解できます。目をじっと見たり、お腹にキスをしたり、足の指を数えたり、赤ちゃん言葉で話しかけたり、歌を歌ったりしてあげましょう。やさしく触った感触や声を聞くことで、赤ちゃんは愛されている喜びを知ることができます。
赤ちゃんを入浴させる前に、必要になるものをすべて用意してください。忘れ物を取りに行くために、裸の赤ちゃんをバスタブの真ん中にじっとさせておかなければなりません。
必要なものは、赤ちゃん用の石けんとシャンプー(あるいは石けんとシャンプーを兼ねたもの)、綿の体洗い用タオル1~2枚、毛布、湯上り用のタオル、お湯をためたプラスチック製の桶などです(もちろん、きれいなおむつや服、お風呂上りのおむつ軟膏やクリームが必要かもしれません)。
赤ちゃんはとても早く湯冷めします。裸でいるときはなおさらです。ですから、サーモスタットをつけるか、数分間シャワーを出しっぱなしにして浴室内を蒸気でいっぱいにするなど、入浴する前に浴室を十分に(25度ぐらいに)温めておきましょう。赤ちゃん用のバスタブを使うときは、最初にお湯をたくさんためて(お湯がまだ十分たまっていない間は赤ちゃんを絶対に入れないでください)、下半身がしっかり浸かるようにしてあげてください。
湯は適温になるよう、指先より敏感なひじや手首の内側で温度を確認してください。
赤ちゃんをそっとバスタブの中に入れましょう。最初は足から入れ、赤ちゃんの頭を片方の腕でしっかりと支えてください。もう一方の腕でお尻を支えます。
いったん赤ちゃんをバスタブに入れたら、水の中に長時間座らせないようにしましょう。肌に炎症を起こす可能性に加えて、体が冷えやすくなる可能性があります。
赤ちゃんの手やお尻の部分には低刺激の石けんを使ってください。本当に汚れていなければ、石けんを使わずに、お湯だけで洗っても大丈夫です。
体洗い用タオルの角かコットンボールを湯に浸して、片方の目をやさしく、内側から外側へ拭きましょう。もう片方の目をきれいにしてください。体洗い用タオルを全部ぬらして、ミルクやよだれがたまりやすい口のまわりやあごの下をよく洗ってください。
耳の中や後ろも洗いましょう(絶対に自分用の綿棒を使わないでください)。赤ちゃんの顔にがんこな汚れがついているときは、石けんを少し使ってもかまいません。
湯に体洗い用タオルを浸し、赤ちゃんの首や胴を洗います。
まだへその緒の断面が残っているようなら、へその緒の周りは慎重に洗いましょう。まわりのざらつきはそっとふき取って大丈夫です。次に、わきの下や指の間をきれいにしましょう。肌のしわや肌が重なっている部分もきちんと洗ってください。
柔らかくてきれいな布と低刺激の石けん、ぬるま湯を使って、赤ちゃんの生殖器を洗いましょう。女の子だったら前から後ろに洗い、肌が重なっている部分もやさしく洗うことを忘れないでください(でも、陰唇の中まで洗う必要はありません)。
包皮切除した男の子のペニスもさっと拭いてきれいにしてください。もし男の子がまだ包皮切除していないなら、引っ張る必要はありません。次は、お尻を洗います(この部分は石けんを少し使うようにしてください)。
決して赤ちゃんをひとりでバスタブの中や、その近くに置き去りにしないでください。また、少なくとも片方の手で常に体を支えてください。
とても敏感な赤ちゃんの肌に、ローションやオイル、クリームは必要ありません。肌に塗るものには吹き出物の原因になるものがあるだけでなく、自然な赤ちゃんのにおいにふたをすることになります。パウダーも控えましょう。赤ちゃんの呼吸器官に炎症を起こす可能性があります。
もし小児科医がクリームなどを勧めることがあれば(たとえば、赤ちゃんが乾燥肌もしくは湿疹ができやすい肌の場合)、低アレルギー性のローションを、最初に手のひらで温めてから塗りましょう。
新しいおむつの上にして、清潔な服を着せましょう。赤ちゃんがぐずったりして少しなだめる必要があれば、毛布にくるんだ後、一緒にくつろいでください。
赤ちゃんの入浴は、最初は緊張すると思いますが、そのうち楽しみになるでしょう。赤ちゃんの顔を見て、語りかけながら、洗うことで、親子の絆が深まります。