記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
人の体内に入り込んで強い胃痛や胃炎、胃潰瘍を引き起こす細菌の一種であるピロリ菌。
今回はピロリ菌感染から胃を守る方法について、ピロリ菌感染の経路や、感染予防が難しいとされる理由とあわせて、解説していきます。
ピロリ菌がどのような経路で人に感染し、胃痛や胃炎・胃潰瘍などの疾患を引き起こすのか、2018年現在でもはっきりとはわかっていません。
現時点で、人体へのピロリ菌の感染についてわかっていることとしては、以下2つのような要素が挙げられます。
上記のうち特に2の条件から、近年では乳幼児期に離乳食や食事を親・親族などの大人から口移しされることで、ピロリ菌感染が起こる可能性が指摘されています。
ピロリ菌の感染経路自体ははっきりとしないものの、感染を予防したいなら、親から子供への口移しで食べ物を与えることは、やめておきましょう。
前項でも述べた通り、ピロリ菌の人体への感染経路ははっきりとはわかっていないため、感染を完全に予防するのは非常に難しいです。
ここで改めて、現時点で考えられる感染の原因・経路を挙げると以下のようになります。
なお近年の経済発展に伴う除下水道の整備や、住居の衛生環境の改善により、若い世代のピロリ菌感染者の数はどんどん減ってきています。
実際に、1970年代には80%を超えていた30代以上の日本人のピロリ菌感染率も、時代の流れとともに減少を続け、2010年代には最大でも50%程度にまで減っているのです。
このため現時点では、大人から子供への口移しにのみ気を付けていれば、それほど神経質になって予防対策をとらなくても、ピロリ菌の感染予防に対しては問題ないでしょう。
ピロリ菌が人体に感染するはっきりとした経路は不明です。現時点では糞便などで汚染された飲食物の摂取や、ピロリ菌に感染した大人からの口移しによって0~4歳までの乳幼児期に感染するものと考えられています。
このため、衛生環境の整った現代の日本でピロリ菌感染を予防するには、幼少期の口移しによる大人からの感染にのみ気を付けておけば、ひとまずは大丈夫でしょう。あまり神経質にならず、予防に努めてください。
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