炭水化物を食べたほうがいいのはどうして?

2017/2/21 記事改定日: 2019/8/7
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

デンプン質の食品(ジャガイモ、パン、米、パスタ、穀物など)は炭水化物を豊富に含んでおり、健康的な食生活を送る上で欠かせない食べ物です。でも、太るから…と、食べずにいることはありませんか?デンプン質の食品には、食物繊維やカルシウムといった栄養素も含まれているので、食べないでいると栄養バランスが崩れてしまう可能性があります。この記事では、デンプン質の食べ物を摂るメリットと、食べ方のコツをご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

炭水化物を食べたほうがいいのはどうして?

炭水化物は質のよいエネルギー源です。デンプン質はもちろん、食物繊維やカルシウム、鉄、ビタミンBを含んでおり、毎日の食事の土台になってくれます。

炭水化物を食べると太ると思って控える人もいますが、グラム単位で考えれば、カロリーは脂質の半分以下しかありません。調理で使う油分に気をつけ、腹八分目におさえれば、太ることはありません。

食物繊維を食べるメリットは?

食物繊維は体内で消化されない栄養素で、食べたものや老廃物が腸内で移動しやすくなる働きがあります。また、食物繊維は腹持ちがいいので、ダイエット中の食べすぎ防止にも役立ちます。

食物繊維はじゃがいもの皮や玄米、全粒粉のパン、シリアルなどに豊富に含まれています。また、野菜や果物を皮ごと食べると食物繊維をたくさん摂ることができます。

ちなみに、食物繊維の中には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。このうち、水溶性食物繊維を摂ると、血中のコレステロール値を下げやすくなる効果が得られます。なお、水溶性食物繊維はリンゴやかぶ、さつまいも、豆類に含まれています。

炭水化物食品に含まれるアクリルアミドって?

アクリルアミドは、炭水化物を含む食べ物を高温で長時間加熱したときに作り出される化学物質です。この物質は、がんを引き起こす可能性があることがわかっているため、調理中は下記の点に気をつける必要があります。

きつね色の焼き加減を目指す
焦がさないよう、火加減に気をつけながら調理しましょう。
長時間、高温で調理しない
自宅でポテトチップスやフライドポテトを作るときは、長時間、高温で調理しないようにしましょう。また、冷凍ポテトなどを揚げるときは、パッケージに記載されている時間や温度を守ってください。
バランスのとれた食生活を心がける
食品に含まれるアクリルアミドを完全に避けることはできませんが、バランスのよい食生活を心がけることで、がんのリスクを下げることができます。そのためには、炭水化物を中心に、1日に必要な果物や野菜を食べるのがおすすめです。じゃがいもや根菜は、ゆでたり蒸したりするとカロリーを抑えることができます。
冷蔵庫に生のじゃがいもを保管しない
じゃがいもは冷蔵庫に保管するとアクリルアミドの量が増えます。6度以上の冷暗所に保管しましょう。

おわりに:炭水化物を味方につけて、かしこくやせよう

  • じゃがいも、パン、米、パスタ、穀物などの炭水化物は、1日に食べる食品の3分の1を目安に摂る
  • 食物繊維も一緒に摂取できるよう、皮付きで食べたり、全粒粉の食品を選ぶこともおすすめ

健康的でバランスのとれた食事にする上で、デンプン質の食べ物は欠かせません。調理方法にも気をつけながら、毎日きちんと食べましょう。

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