記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/3/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
神経ブロック療法とは、神経周囲や神経内に局所麻酔薬を注入して、神経に一時的な麻酔をかけて痛みが伝わるのを止める治療法です。痛みに合わせてブロック注射を打ちますが、注射と聞くと痛みや針を思い出して気が引ける方も多いかもしれません。この記事では、神経ブロック療法で使うブロック注射がどのようなものかや、どんな種類があるかを紹介します。
神経ブロック療法とは、神経周囲や神経内に局所麻酔薬を注入し、神経に一時的な麻酔をかけることで神経伝達を遮断する治療法です。これによって、痛みを感じなくなったり、血管を拡張させることで血流を改善することで局所の治癒を促したりします。局所麻酔薬以外にも高周波の熱やアルコールを使用することもあります。神経ブロックを行うことで短期間ではなく長期間(数ヶ月から数年単位)で神経を麻痺させることができ、その期間の痛みの改善を行うことができます。
神経に注射針を使用して局所麻酔を注入することから虫歯の麻酔や予防接種がイメージされ、行為そのものが痛いのではないかと思う方も多いかもしれません。しかし、実際のところ特別強い痛みがあるというわけではなく。中には治療が終わったことに気づかなかったこともあるようです。
神経ブロック注射は、歯科などで行う局所麻酔のように、一時しのぎの痛み止めではありません。人は痛みが生じると、交感神経が興奮して血管が収縮します。血管が収縮して血行が悪くなると、組織に血液が十分に届かないため、組織が酸素不足となって代謝物質が溜まります。酸素不足や代謝物によって、痛みがますます増幅していきます。
神経ブロックは、こうした痛みの悪循環を断つことができるので鎮痛効果が長続きする、と考えられています。このため、局所麻酔薬の作用が消失する時間を超えたと思われる時点でも、鎮痛効果が続くことがあります。
その効果は痛みの原因や痛みが出る部位によって異なりますが、1回の注射で完全に痛みが消失するということは難しく、繰り返しブロック注射を行うことで症状が徐々に改善されていくものと考えられています。
神経ブロック注射の種類によって、ブロック注射を打てる場所が異なります。
神経ブロック注射は神経に対して局所麻酔を注入することによって神経を麻痺させて痛みを和らげる治療法で、局所麻酔を注入する部位によってさまざまな部分の痛みに対して効果があります。注射そのものの痛みも弱く、中には注射されたことに気づかなかったという人もいます。痛みに悩まされているという方は一度専門医に相談してみてください。