心肺停止に陥る原因として一番多いものは?どうすれば助けられる?

2020/2/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心肺停止とは心臓の機能がストップしてしまった状態です。心肺停止に陥ると命を落とす可能性が高くなるため、発症原因が気になるところです。この記事では、心肺停止に陥る原因とともに、万が一身近なところで心肺停止に陥る人がいた場合の救命方法も解説していきます。

心肺停止とは

「心肺停止」(心肺機能停止:CPA)は、心停止とも呼ばれ、心臓の機能が止まってしまった状態です。心臓機能が停止すると、完全に意識を失い、体を自分で動かすことはできず、よびかけにも反応しなくなります。脈も打たなくなり、正常な呼吸が停止しますが、はじめの数分間は、空気を大きく飲み込むようなしぐさで喘ぐような呼吸(死戦期呼吸)をしていることがあります。ただ、これは普通の呼吸とは全く異なるものです。

もし病院の外でこのような状況に陥ると、歩ける状態にまで戻れる人は数%前後でしかありません。周りの人の適切な対応、いざというときの備えができていなければ、それまで健康に見えていた人であっても予期せず突然帰らぬ人となってしまいます。

心肺停止に陥る原因は?

日本では年間約10万人の突然死があり、このうち約6万人が心臓の異常を原因とする心臓突然死で、その大半は「心室細動」という不整脈によって起こります。

血液を全身に循環させている心臓の中で、血液を送りだす働きをしているのが心室です。心室細動は、この心室がけいれんして細かく震え、血液を送り出すことができなくなった状態です。脳への血流が途絶えると数秒で意識を失い、適切な治療がなければ数分で死に至ります。

心室細動の原因となる病気はさまざまで、心筋梗塞、拡張型心筋症、肥大型心筋症などがよく知られていますが、原因がわからず突然心肺停止に陥ることもあります。大災害時に走って逃げたり、非常に強いストレスを受けたり、家財の喪失からショックを受けるなどして心臓に大きな負荷がかかったときなどにも起こることがあります。

心肺停止状態の人を助けるには

心肺停止状態に陥った人は、すぐに対処しなければ死に至ります。それを防ぐには、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行い血液の循環を保つことが重要です。

まず119番通報し、近くにいる人に助けを求めてAED(自動体外式除細動器)を持ってくるよう依頼します。呼吸や体動がなければ、両手をその人の胸の真ん中において、肘を曲げずに胸が5cm程度下がるように100回/分ほど押し続けます。AEDが到着したら、電源を入れて救急車が到着するまでAEDの指示に従います。

心肺蘇生法は消防署などで講習を行っているので、一度受講しておくといざという時に役立ちます。心肺停止の主な原因のひとつである重症の不整脈には電気ショックが有効で、早ければ早いほど効果があります。AEDを使用することで、医療従事者でなくても安全に電気ショックを行うことができるようになったので、ためらわずに使用しましょう。救急車到着の前にこれらが行われることで、以前は救えなかった命を救うことができるようになります。

おわりに:心臓突然死でその大半は重症の不整脈が原因。胸骨圧迫とAEDの活用で心肺蘇生を

心肺停止は心臓の機能が止まってしまった状態で、突然死を起こします。原因の6割は心臓突然死で、その大半は心室細動という重症の不整脈です。心肺停止状態に陥った人を助けるには、すぐに救急車を呼び、心臓マッサージを行って血液を流し、AEDをためらわず使用して到着を待ちましょう。

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