記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
年齢・性別を問わず、突然起こる耳の中の痛みは、非常に不快なものですよね。今回は、耳のなかのズキズキとした痛みの原因として急性中耳炎を挙げ、その代表的な症状や特徴、適切な対処法や治療法など、知っておきたい情報をご紹介していきます。
耳の中がズキズキと強く痛み、あわせて以下のような症状がみられるなら、その痛みは急性中耳炎が原因である可能性が高いと考えられます。
急性中耳炎は、「中耳」と呼ばれる耳の鼓膜からその奥の部分にまで細菌やウイルスが侵入してしまい、炎症を起こしている状態です。
子供は、中耳とのど・鼻をつなぐ耳管(じかん)という管が大人に比べて太くて短く、鼻に侵入し風邪の原因になったウイルス・細菌が中耳にまで移動しやすいとされます。
このため、急性中耳炎は子供が鼻づまりを伴う風邪・発熱などをきっかけに発症しやすい耳鼻科系疾患としても、一般的に広く知られているのです。
急性中耳炎による症状のうち、子供が発症した場合に見られる特徴的な症状として、以下が挙げられます。
年齢にもよりますが、子供は自分に何が起こっているのか、どこにどのような痛みや不快感が生じているのか、大人にうまく伝えられないケースも多いです。子供に上記のような症状がみられたら、念のため病院で診てもらいましょう。耳の中がズキズキ痛む原因が急性中耳炎かどうかは、耳鼻咽喉科に行って鼓膜に赤み・腫れがないか、また中耳に膿が溜まっているかどうかを基に診断してもらえます。
急性中耳炎を発症しているとわかったら、まずは痛みを抑えるための痛み止めや、炎症を抑えて細菌を殺すための抗生物質・消炎剤を使って投薬治療していくのが一般的です。
薬の種類には内服薬や耳に直接たらす液体点耳薬などがあり、軽症の急性中耳炎であれば、投薬治療だけでも1週間ほどで症状が良くなります。ただし、中耳に溜まっている膿の量が多かったり、非常に痛みが強いときには、小さなメスで鼓膜を切開して膿を出す手術治療が行われるケースもあります。
また、抗生物質を投与しても十分な効き目が得られない場合は、抗生物質に耐性を持つ耐性菌が急性中耳炎の原因になっている可能性が考えられます。この場合、中耳から膿や分泌液などを採取して原因菌を詳しく調べ、効果的な抗生物質を断定してから投薬治療を進める必要が出てきます。
なお、急性中耳炎に対しどのような治療を進めて行くかは、担当する耳鼻咽喉科の医師の判断や、患者の年齢・状態によって異なります。詳しい治療方針については、受診した耳鼻咽喉科の医師に確認しましょう。
耳の中がひどくズキズキ痛むとき、急性中耳炎を発症している可能性が高いです。急性中耳炎は、耳から入った細菌のほか、風邪の原因菌が鼻やのどなどから移動してくることでも発症します。急性中耳炎の治療は、重症度にあわせて投薬・手術で行いますので、まずは耳鼻科を受診して医師に診てもらいましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。