記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
慢性的なズキズキとした肩の痛みは、快適な日常生活や仕事上のパフォーマンスを著しく下げる原因となります。痛みの原因を突き止め、少しても緩和するにはどうすればよいのでしょうか。今回は肩がズキズキと痛むときに考えられる3つの原因と、それぞれの原因に効果的な治療法について解説していきます。
肩がズキズキと痛む原因としてはさまざまなものがありますが、「五十肩(ごじゅうかた)」「肩腱板断裂断裂(かたけんばんだんれつ)」「石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)」の3つは比較的発症しやすい疾患です。五十肩・肩腱板断裂・石灰沈着性腱板炎の原因や症状は、それぞれ以下の通りです。
医学的には「肩関節周囲炎」という疾患ですが、50代を中心に肩関節に痛み・運動制限を伴う炎症のため、一般的に五十肩と呼ばれています。原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢により肩の筋肉・腱・人体・関節を包む関節包(かんせつほう)・潤滑液などの組織が炎症を起こして発症すると考えられています。
主な症状は肩付近の痛みや、痛みで肩を上げられないなどの運動制限ですが、時間とともに以下3つの段階を経て変化していくのが一般的です。
肩を安定した状態に保っている筋肉や腱の集合体である肩腱板(かたけんばん)の一部、または全部が切れたことが原因で、肩関節の周辺に痛みが生じる状態を肩腱板断裂と言います。五十肩とは違って年齢に関係なく発症し、痛みは伴うものの肩を動かせる範囲・用途に、制限が出ないことが特徴です。
肩腱板内にリン酸カルシウム結晶(石灰)が沈着して溜まり、硬化していくことで徐々に肩関節に痛みを起こし、関節包に侵食するときには激痛を起こす疾患です。夜間や安静時に、眠れないほどの急激な肩の痛みが起こって発症することが多く、関節を動かせなくなるほどの厳しい運動制限も引き起こします。
40~50代の女性が発症しやすく、急性型では強い症状が1~4週間、亜急性型では中等度の症状が1~6か月間、慢性型では運動時のみ6か月間症状が持続します。
肩がズキズキ痛むときの適切な対処法は、原因によって異なります。以下に、前項までにご紹介した五十肩・肩腱板断裂・石灰沈着性腱板炎への適切な対処法をそれぞれご紹介します。
急に激しい痛みを感じるようになる急性期には、激しい運動や重い荷物を持つことを避け、市販の鎮痛薬等にも頼りながら安静に過ごすのが一番の治療です。
発症からしばらくして痛みが落ち着いてきたら、お風呂や使い捨てカイロ、温湿布などで肩を温めつつ積極的に日常動作を行うようにして肩を動かし、機能回復を目指しましょう。
まずは早急に、整形外科などの病院を受診して医師による診断を受けてください。そのうえで、医師のアドバイスに基づいて以下いずれかの治療を行っていきましょう。
こちらも肩腱板断裂と同様、まずは整形外科の医師に病状を診てもらったうえで、その後の治療方法を選択していく必要があります。石灰沈着性腱板炎に有効な治療方法として、以下のような選択肢が考えられます。
肩が痛い理由として、五十肩・肩腱板断裂・石灰沈着性など、肩関節に何らかの異常が起きている可能性が考えられます。ただ、患者の年齢や性別、生活環境などによっても想定される原因は異なります。このため適切に対処するには、まず整形外科の病院で原因を特定してもらうことが大切です。早期に治療を開始した方が回復も早いですので、できるだけ早く整形外科へ足を運んでください。