記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
りんご病は子供がかかりやすく、頬がりんごのように赤くなる症状が現れることで、一般的にも良く知られている疾患です。今回はりんご病による発熱に注目し、罹患するとどのくらい発熱するのか、発症者が子供・大人であった場合の違いについても触れながら、解説していきます。
りんご病は、鼻の付け根から両頬に広がるように顔が赤くなり発疹が現れる紅斑(こうはん)が、りんごのように見えることで知られている感染症の一種です。正式名は「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と言い、ヒトパルボウイルスB19というウイルスに接触、または感染者の飛沫に触れることで感染・発症します。
感染から発症の経緯としては、まず感染から7~20日ほどの潜伏期間を経て微熱や頭痛、関節痛、咳など風邪のような症状が出てきます。このため、発症したばかりの初期段階ではりんご病であることに気が付けず、ただの風邪だと思って対処してしまう人も少なくありません。
そして、風邪のような前兆症状が現れてから1週間後に特徴的な紅斑が顔に出て、肩や腕、太ももなどにかゆみを伴う発疹が広がっていきます。子供がかかりやすいものの重症化するケースは少なく、かつ一度かかるとその後終生にわたり、かからなくなるのが特徴です。
子供がりんご病にかかって重症化するケースは少ないため、前兆症状である発熱もほとんど出ないか、ほとんどが上がっても37度台の微熱レベルです。このため、子供のりんご病による発熱はいずれも軽いもので、本人の発症直後の様子としては「微熱はあるものの元気」であることが多くなります。
子供の場合、りんご病による発熱は長くても大体1~2日で落ち着きますし、紅斑が現れる頃には平熱になっていることが多いです。
子供の場合、りんご病を発症しても37度台の軽い発熱で済むことが多いのに対し、大人が感染・発症すると、高熱を出るケースも少なくありません。
大人がりんご病に感染・発症した場合の症状は、総じて子供よりも重症化する傾向があるだけでなく、子供ではみられない以下のような症状も現れます。
大人のりんご病の場合、上記の症状を1週間程度ですべて経験し、その後回復できる場合もあれば、3~4週間にわたって繰り返す場合もあります。
子供に現れる特徴的な顔の紅斑はむしろ現れにくく、高熱と全身の強い痛み・倦怠感など重い風邪のような症状を伴うのが、大人のりんご病の大きな特徴といえます。
りんご病で発熱するかどうかは、発症したのが子供か大人かによって大きく変わります。子供の場合、りんご病による発熱は紅斑が出るまでの1~2日に、37度台の微熱レベルまでしか上がらないのに対し、し大人の場合は、まず38~39度台に及ぶ高熱が3日ほど続くケースが多いといわれています。りんご病による症状の出方は年齢によって変わることを理解しておきましょう。