溶連菌感染症の合併症のひとつ、急性糸球体腎炎ってどんな病気?

2019/4/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

溶連菌感染症の合併症のひとつに、急性糸球体腎炎があります。今回は、急性糸球体腎炎の症状や予防法などをご紹介します。

溶連菌の治療後にみられる急性糸球体腎炎とは?

腎臓には、血液から尿をろ過して体外へ排出するはたらきをもつ「糸球体」という毛細血管の集合体があります。「急性糸球体腎炎」とは、糸球体の血管が上手く機能しなくなり、血尿などがみられて高血圧やむくみなどを引き起こす病気です。

急性糸球体腎炎は、溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)感染後にかかりやすいといわれ、扁桃炎、咽頭炎などに感染してから約1~2週間後に発症します。

急性糸球体腎炎の症状は?

急性糸球体腎炎は、のどや扁桃の炎症が治った約1~2週間後にむくみや血尿、高血圧などがみられます。むくみは特に脚に現れやすいですが、重症の場合には全身にみられることもあります。場合によっては、肺に血液中の液体成分が漏れ出る肺水腫となり、呼吸困難になることで一時的に透析が必要となることもあります。また高血圧により、意識障害や痙攣などを引き起こす場合もあります。

どうすれば症状がよくなるの?

高血圧やむくみなどがみられる場合には入院治療を行い、症状が強く出ている場合には安静が求められます。また食事療法で通常1~2週間程度は塩分を制限し、むくみの軽減を行います。高血圧の場合には降圧薬を使用したり、急性糸球体腎炎の原因となった扁桃炎などの病気に対しては抗生物質を1~2週間服用するなどします。

溶連菌感染後、腎炎を予防するには?

溶連菌に感染した後、2~3日程度でのどの痛みが和らぎ、熱が下がることがあります。また発疹が出た場合でも、急性期を過ぎると手足の指先から皮がむけはじめる(落屑:らくせつ)こともあります。

ただし、自己判断で処方された薬の服用を止めないようにしましょう。処方された薬を決められた期間中は飲み続けることで、急性糸球体腎炎などの合併症を防げる可能性が高まります。また完治後も尿検査を受け、異常がないか確かめましょう。咽頭炎などの症状が出た後、2週目、3~4週間後に検査をして問題がなければ、合併症の恐れはないと考えて良いといわれています。

おわりに:抗生物質を飲み切って、溶連菌感染症の合併症を予防しよう

溶連菌感染症の合併症のひとつである急性糸球体腎炎は、発症すると入院を必要とし、食事療法なども行います。ただし、急性糸球体腎炎は予防が可能といわれています。溶連菌感染後は薬を決められた期間内にしっかり服用して、合併症を防ぎましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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