膀胱炎になったら出てくる症状は?どんな治療薬が使われるの?
2019/5/5
女性に多い膀胱炎は、排泄するまでの間におしっこを溜めておく臓器である膀胱に、炎症が起きて辛い症状を引き起こしてしまう病気です。今回は膀胱炎について、代表的な症状と原因、治療に使われる薬の種類など、膀胱炎になったときの治療法について解説します。
膀胱炎になると出てくる症状は?
膀胱炎は、おしっこを溜めている膀胱が炎症を起こした状態のことです。年齢を問わず、どんな方でも発症のリスクはありますが、男性に比べて尿道が短い女性の方が発症しやすい病気として知られています。
膀胱炎になると、段階的に以下のような症状が出てきます。
- 排尿時に、下腹部や股間のあたりが痛むようになる
- トイレに行く回数が増え、尿を出しても残尿感が消えない
- 出した尿が濁っている
なお、膀胱炎を治療しないままでいると腎盂腎炎(じんうじんえん)という病気に進行し、背中・腰の強い痛みや発熱、嘔吐などの症状が出てくるため注意が必要です。
膀胱炎になるのはどうして?
一般的に膀胱炎と呼ばれる「急性・単純性膀胱炎」は、肛門や腟で異常繁殖した細菌類が尿道を通って膀胱にまで侵入し、炎症を引き起こすことで発症します。発症となる原因菌のうち、80%は肛門付近に存在する大腸菌であると言われています。
女性が膀胱炎を発症しやすいのは、男性に比べて男性に比べて肛門や腟と尿道口の距離が近く、尿管も男性の1/4の長さしかないためです。体調が万全であれば、腟の自浄作用で細菌の繁殖を防いで膀胱炎の発症を予防できますが、ストレスや閉経、性行為などで腟の自浄作用が弱くなってしまうと、細菌の繁殖を抑えきれずに膀胱炎を発症するリスクが高くなります。
また、大量に汗をかいて脱水状態になりやすい夏季には、排尿で繁殖した細菌を出し切るのが難しくなるため、膀胱炎の発症リスクも高くなることも明らかになっています。
膀胱炎を治すためにどんな治療薬を使うの?
膀胱炎の治療は、抗生物質を服用する薬物療法ですすめていくのが基本です。もし、医師から処方された抗生物質で十分な効き目が感じられない場合は、膀胱炎の原因菌が薬剤耐性を持っているか、膀胱炎以外の病気(複雑性膀胱炎や腎盂腎炎など)を発症しているリスクが考えられます。担当医に抗生物質の効き目を感じられないと伝え、念のため再検査を受けるなど、医師の指示に従ってください。
なお、抗生物質を服用したら症状が治まったとしても、細菌がまだ膀胱内に残っている可能性があります。医師から処方された薬は必ず、指示通りにすべて飲み切りましょう。
おわりに:膀胱炎になると排尿痛や残尿感が…抗生物質で治療しよう
尿道から膀胱に細菌が侵入することで起こる膀胱炎は、排尿痛や残尿感、尿の濁りなどの症状を引き起こします。原因となる細菌の80%は以上に繁殖した大腸菌であるとされ、男性よりも尿道が短い女性の発症が多いのが特徴です。治療には抗生物質を使用し、医師の指示通りに服用して体内の細菌を殺すことで、炎症を抑えて治療していきます。放っておくと腎盂腎炎に進行する恐れもある病気ですので、早めに医師に診てもらいましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。