記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「薬をもらったけれど、いつまで使えるのだろう」と気になったことはありませんか。基本的に、処方薬は処方されたものを全部飲み切るものなので、期限を気にする必要はないのですが、もし余ってしまった場合はどのくらい長持ちするものなのでしょうか。
薬は、未開封の状態だと、製造してから3~5年程度は効き目が変わらずに使えるように作られています。ただし、自宅や会社などで保管された薬の場合、保管場所や条件に左右されるため、それより短くなるということを念頭に置く必要があります。
開封後に自宅保管をしている場合の使用期限は、薬ごとに異なります。粉薬・顆粒の場合は3~6カ月、カプセルや錠剤、座薬、軟膏などの場合は6カ月から1年、目薬や自己注射製剤の場合は1カ月、シロップなどの液剤は細菌繁殖の可能性を考慮し、残ったものはすべて処分する必要があります。また、上記の期間に限らず、処方薬は処方された日数が使用期限と考えるようにしておくとよいでしょう。
処方薬を劣化させずに保管するためには、高温・多湿・直射日光を避けるということが重要です。また、薬にはそれぞれ適した保管の温度があります。一般的に薬の保管温度は、室温保存と書かれている場合は30℃以下、冷所保存と書かれている場合は15℃以下とされており、凍結する場所は不可とされています。特に、冷所保存の場合は冷蔵庫に保管するようにしましょう。
また、薬の蓋はしっかりと閉め、暖房の近くなどには置かないようにしましょう。特に、真夏の車内は50~80℃もの高温になります。車の中に薬を放置するのもやめましょう。
基本的に、処方薬は処方された日数分を飲み切るものですので、薬が余ってしまうことはあまり起こらないと思います。しかし、もし余っていて、その使用期限が切れていることに気づいたら、面倒がらずに処方してもらった医療機関に持参して処分してもらってください。特に麻薬成分を含む薬や向精神薬などは、間違ってほかの方が服用すると重篤な症状が現れることがあります。
また、使用期限が切れていなくても、残っているからほかの人にあげるようなことは決してしないでください。処方された医療機関か調剤してもらった薬局に持参して、処分を依頼してください。
なお、インスリンなどの注射薬では、ポンプ・針などが医療用廃棄物にあたるものは、医療機関にある専用のごみ箱で処分しなければならないものもあります。こちらも必ず医療機関に持参してください。
基本的に、処方された日数が処方薬の使用期限です。そのため、処方薬は余らせないようにすることが第一です。もし余ってしまった場合は、処方された医療機関か、薬局に持っていって処分をお願いしましょう。