非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用は?

2019/4/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ケガや病気による体内の炎症、痛み、発熱を抑える解熱鎮痛薬として、市販薬でも処方薬でも幅広く使用されているのが非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。この記事では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用時に知っておくべき副作用のリスクについて、副作用が疑われる場合の対処法とあわせて解説していきます。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、ステロイド以外の作用で体内の炎症・痛み・発熱を抑え、症状を改善させる効果のある薬の総称です。体内で炎症・痛み・発熱を引き起こすプロスタグランジンという物質の生成を阻害することで、体の炎症や痛みを鎮め、平熱にまで体温を下げる作用を持っています。

ほとんどが錠剤やカプセルなどの飲み薬として使用されますが、他にも皮膚に使用する塗り薬や湿布薬、肛門に挿入する座薬など、さまざまな剤形があり、非ステロイド性抗炎症薬で得たい効果や治療したい部位によって使い分けられています。

NSAIDsの主な副作用①:消化性潰瘍

消化性潰瘍とは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気の総称です。消化性潰瘍はピロリ菌感染で発症することが知られていますが、ピロリ菌感染の次に多い原因としてNSAIDsの服用が挙げられます

通常、胃や十二指腸は粘膜によって保護されているため、深い傷ができにくく、もし少し傷ついたとしても自己修復できる機能が働いています。しかし、NSAIDsの働きによって、プロスタグランジンによる傷ついた粘膜を修復する力が抑えられてしまうため、傷が修復できずに消化性潰瘍を引き起こしてしまう恐れがあるのです。

NSAIDsの主な副作用②:薬剤性腎障害

薬剤の服用・使用が原因で起こる腎機能障害のことを、薬剤性腎障害といいます。発症原因となる薬剤によって呼び方や分類は変わりますが、NSAIDsの副作用としての薬剤性腎障害として以下のような症状が現れます。

NSAIDsの副作用でみられる薬剤性腎障害の主な症状
尿が少ない(もしくはほとんど出ない)、倦怠感、むくみ、血液検査におけるクレアチニン・尿素窒素値の上昇

NSAIDsによる薬剤性腎障害が起こるタイミングには個人差が大きく、服用から数時間で発症することもあれば、数年経過してから合掌することもあるといわれています。

特に、以下のような条件・特徴に該当する方は、NSAIDsによる薬剤性腎障害の副作用を発症しやすいため注意が必要です。

  • 高齢者、腎不全など腎臓に持病がある方
  • 肝不全の持病がある方
  • 複数種の医薬品を服用している方
  • 発熱、脱水、食欲不振状態の方

NSAIDsの主な副作用③:肝機能障害

肝臓は体内での薬の代謝を行うため、薬の影響を受けやすい臓器です。このことが、薬の副作用が原因で肝機能障害が起こる原因となります。

NSAIDsに限らず、医薬品を服用後に以下のような症状が急に現れたり、持続したりしている場合は、薬の副作用による肝機能障害を起こしている可能性が高いです。

肝機能障害の代表的な症状
倦怠感、発熱、発疹、黄疸、吐き気、嘔吐、体のかゆみ

副作用かも、と思ったら?

NSAIDsを服用・使用した後に、ここまでに紹介したような副作用を疑う症状が現れたら、すぐに医師または薬剤師に相談して指示を仰いでください。このとき、以下のようなアイテムを手元に用意しておくと、服用した薬の種類や現れた症状の説明がスムーズにできます。

  • 症状が現れた日時や、状態の変化を記したメモ
  • NSAIDsを処方してもらったときのおくすり手帳

副作用が疑われる症状が出てきたら、まずどのように具合が悪いのかをできる範囲で記録してから医師・薬剤師に連絡するとよいでしょう。

おわりに:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による代表的な副作用は3つ

体の炎症や痛み、発熱を抑える作用のある非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、消化性潰瘍、薬剤性腎障害、肝機能障害の副作用を引き起こすリスクがあります。発生頻度としては消化性潰瘍が最も起こりやすく、腎障害や肝機能障害の発症はまれとされていますが、患者の体質や薬との相性によっては、症状が現れるかもしれません。NSAIDsを服用するときはきちんと副作用を理解したうえで、症状が出たらすぐに医師・薬剤師に相談してください。

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