記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/5/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
解熱鎮痛薬と胃薬などのように、一方の薬の作用をのこしつつ副作用のリスクを減らすことを目的に、2種類以上の薬が一緒に処方されることは多いです。
この記事では、胃炎などの治療に使われることが多いレバミピドと、解熱鎮痛薬の一種であるロキソプロフェンと一緒に飲み合わせることについて解説していきます。
ロキソプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs[エヌセイズ])に分類される解熱鎮痛薬の一種で、腫れや痛みを緩和して熱を下げる効能のある薬です。薬の作用としては、体内でシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害することで、痛みや炎症・発熱を引き起こすプロスタグランジンという物質の生成を抑えます。痛みの原因そのものというより、症状の原因となっている痛みや炎症、発熱といった表にあらわれている症状を抑えるのが目的の薬です。
化学構造的にはプロピオン系に分類され、鎮痛・抗炎症・解熱作用を均等に持ち比較的副作用も出にくいとされているため、以下のような疾患に幅広く処方されています。
胃粘膜の修復や増量を促して炎症や痛みを抑えるレバミピドは、解熱鎮痛薬であるロキソプロフェンと一緒に服用しても問題ありません。
ほとんどの薬は、治療に役立つ主な効果・効能である「作用」と、治療の目的とは違った有害的な効果・効能である「副作用」の両方を持っています。ロキソプロフェンには高い解熱鎮痛・抗炎症の作用がある反面、胃炎や胃潰瘍といった胃のトラブルを起こしやすいことが知られています。
一方、レバミピドには、胃粘膜を強くして修復を促し、胃炎や胃潰瘍を治す作用がありますが、副作用はほとんど確認されていません。このため、ロキソプロフェンとレバミピドを併用することで、ロキソプロフェン服用時に起こりやすい胃のトラブルを抑える効果が期待できます。実際、胃のトラブルの副作用を予防するために、ロキソプロフェンを処方したときにレバミピドも一緒に出すことは、多くの医師・薬剤師が行っています。
ちなみに、レバミピドと一緒に飲んではいけない薬は特にないため、ロキソプロフェン以外にも他の薬と併用されることがあります。
基本的には、レバミピドの服用によって副作用が現れるケースは非常にまれとされています。ただ、もし副作用があらわれるとしたら、以下のような症状がみられることがわかっています。
レバミピドの服用後、上記のような症状が現れた場合は副作用の可能性が考えられます。すぐに医師や薬剤師に報告・相談してください。
また、過去にレバミピドを服用して上記のような副作用が出たことがある方は、再び重篤な副作用が現れる可能性が高いため、レバミピドの服用はできません。レバミピドの服用にあたり副作用などが心配な場合は、処方の前に医師や薬剤師に事情を話して、詳細や適切な対処について説明を受けましょう。
レバミピドは血流を促進し、胃粘膜を修復・増強する作用があります。このため、副作用として胃のトラブルを引き起こしやすいロキソプロフェンと一緒に処方されることもあります。また、もともとレバミピドは副作用がほとんど起こらない薬として知られており、2つの薬を一緒に服用しても問題ありません。ただし、もし服用後に湿疹や発熱といった症状がみられたら、念のため医師・薬剤師に相談してください。