記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/5/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める状態が数日続く不眠症になると、症状や不眠の程度に合わせた睡眠薬を処方されます。今回はその定義や種類、起こり得る副作用や服用にあたって知っておくべき副作用のことまで、睡眠薬についてまとめて解説します。
睡眠薬とは寝つきが悪い、眠りが非常に浅いといった不眠症状を軽減・改善し、深い睡眠や入眠を助ける目的で使われる薬の総称です。その中でも特に作用時間が短く、入眠を助ける目的で使用されるものを睡眠導入剤などと呼びますが、こちらも心身の緊張を緩和して入眠や深い持続した睡眠を助けてくれます。
基本的な作用は、脳と脊髄に存在する中枢神経系のGABA-A受容体という物質に作用して、脳と体の広範囲にわたって睡眠の導入と持続を助けるというものです。処方薬と市販薬、どちらでも入手可能ですが、いずれも中枢神経に作用する薬剤であるため、向精神薬に分類されます。
睡眠薬には、その作用時間によって以下のような種類があります。
上記のうち、「超短時間型」「短時間型」の睡眠薬は特に一時的な不眠や寝つきの悪さなどの睡眠障害がみられる場合に処方されます。一方、「中時間型」「長時間型」の睡眠薬は、寝ても途中で目が覚めて寝付けない、寝た気がしないなどの睡眠障害が慢性的に続いている患者に対して処方されています。
一般的には超短時間型・短時間型の睡眠薬から始めて、症状や効き目に応じて中間型・長時間型の睡眠薬に切り替えて使用するケースが多いです。
睡眠薬を服用するときは、必ず医師または薬剤師に指示された用法・用量を守り、自己判断で摂取量の増量や、服用の中止を絶対にしないでください。
また、薬の作用を必要以上に強める恐れがあるため、睡眠薬とお酒を一緒に摂取することは非常に危険です。睡眠薬を飲むときは必ず水かぬるま湯で飲み、お酒と一緒には飲まないでください。
睡眠薬を服用することで発症し得る副作用として、以下が挙げられます。
起床後も睡眠薬の効果が続き、寝ざめの悪さや倦怠感、ぼーっとするような感覚が残ってしまうことを言います。特に、中時間型・長時間型の睡眠薬の使用で現れます。
記憶があいまいになったり、一時的に途切れるなどの症状です。特に超短時間型や短時間型、またはお酒と一緒に睡眠薬を摂取した場合に起こります。
作用時間が短い超短時間型・短時間型の睡眠薬の服用では、朝までに効果が途切れることで、早朝覚醒の副作用が現れる可能性があります。
継続的な睡眠薬の服用を突然中止した反動から、不眠になることを言います。作用時間が短い超短時間型・短時間型の睡眠薬で起こりやすいです。
服用から入眠までの間に、体に力が入りにくくなることから転倒することがあります。特に中時間型・長時間型の睡眠薬や、高齢者に起こりやすいとされる副作用です。
攻撃的になり、興奮しやすくなってしまう副作用です。特に超短時間型の睡眠薬を、お酒と一緒に摂取した場合に起こるとされます。
睡眠薬とは向精神薬の一種で、寝つきの悪さや深い眠りを持続できないといった睡眠障害を改善・軽減するために使われます。効き目の持続時間により超短時間型・短時間型・中時間型・長時間型の4つに大別され、患者の不眠症状・程度によって使い分けられています。睡眠障害の改善に非常に効果的ですが、一方で用法・用量を無視した飲み方をすると重大な副作用を生じるリスクもあります。医師・薬剤師の指示を守って服用しましょう。