リンコマイシン系の抗生物質を服用するのはどんなとき?

2019/6/17

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

細菌が原因の感染症に効果がある抗生物質には、さまざまな種類があります。この記事では、リンコマイシン系の抗生物質について、その特徴や代表的な治療薬、副作用を解説します。

リンコマイシン系抗生物質とは

細菌が生命を維持したり増殖したりするとき、リボソームという器官でタンパク質の合成が必要となります。リンコマイシン系抗生物質は、このタンパク質の合成を阻害することで細菌の増殖を抑えます

リンコマイシン系抗生物質は、細菌の中でも特にグラム陽性球菌群(MRSA以外の黄色ブドウ球菌、A群溶血性連鎖球菌、肺炎球菌)、嫌気性菌群(バクテロイデス、プレボテラなど)などに効果があります。

嫌気性菌とは
生育に酸素を必要としない細菌です。その中でも、酸素があっても生育できる通性嫌気性菌と、空気中の酸素濃度で死滅してしまう偏性嫌気性菌に分類されます。

主なリンコマイシン抗生物質は?

代表的なリンコマイシン系抗生物質として、以下のようなものがあります。

  • グリンダマイシン(商品名:ダラシン®︎カプセル、ダラシン®︎S注射液)
  • リンコマイシン塩酸塩水和物(商品名:リンコシン®︎)

リンコマイシンの副作用は?

代表的な副作用として、以下のようなものがあります。

  • 皮膚症状(発疹、かゆみ、紅斑など)
  • 消化器症状(下痢、吐き気、食欲不振、腹痛など)
  • 肝機能障害(AST[心筋や骨格筋、赤血球中などにも多く含まれている酵素]やALT[肝臓中に存在している酵素]などの上昇、黄疸など)

上記のような副作用はまれ、と言われていますが、薬を服用する際は、リスクを含めて医師から十分な説明を受けるようにしましょう。

なお、内服薬の場合、薬が食道にとどまってしまうと、まれに食道潰瘍を引き起こす可能性があります。服用する際は、たっぷりの水で飲みましょう。

おわりに:リンコマイシン系の抗生物質は、細菌が原因の感染症に対抗できる薬

リンコマイシン系抗生物質は、細菌が原因の感染症に効果がある薬です。細菌が増殖するために必要なタンパク質の合成を阻害することで、細菌のはたらきを弱めます。内服薬や注射剤、塗布薬などさまざまな種類の薬があるため、病気によって使い分けることができるのが特徴です。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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