ベンゾジアゼピン系抗不安薬ってどんな薬?副作用や注意点は?

2019/5/9

「突然、高い所が怖くなり高架橋が渡れなくなった」といった不安症状や、恐怖によるパニック症状が起きることがあります。これらを不安障害と呼び、症状を抑えるために抗不安薬が処方されます。

なぜ、抗不安薬を飲むと不安が和らぎ、不安障害の症状が抑えられるのでしょうか?この章ではベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用や種類、副作用などをご紹介します。

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ベンゾジアゼピン系抗不安薬とは

精神的なショックやストレスなどにより、普段なら平気なことにも不安や恐怖を感じることがあります。こういった症状を和らげるのが抗不安薬です。

抗不安薬で不安が和らぐ流れは以下の通りです。

脳内の抑制性神経伝達物質「GABA(gamma-aminobutyric acid)」が作用するGABA受容体は、抗不安や催眠、鎮静などに関わります。

GABA受容体はベンゾジアゼピン受容体と複合体となっています。ベンゾジアゼピン受容体が刺激を受けると、この複合体に塩化物イオンが流入します。そうすると脳の興奮が抑制され、催眠や鎮静状態となり、不安感も和らぎます。

抗不安薬はベンゾジアゼピン受容体と結合することで、GABA受容体の活動を高めます。GABA受容体が活発に活動すると、眠くなり、興奮状態が落ちつき、不安が和らぎます。結果的に心身症や不安障害などの症状が落ちつくのです。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬にはどんなものがある?

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は種類が豊富です。それぞれに特徴がありますので、ここでは代表的な薬を5つご紹介します。

クロチアゼパム(商品名:リーゼ®︎)

自律神経失調症によって起きる肩こりや食欲不振、めまいなどに使われます。ベンゾジアゼピン系抗不安薬の中では効果が早く出るほうで、体内の蓄積も少ないとされています。

エチゾラム(商品名:デパス®︎)

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の中では効果が出るのが早く、体内の蓄積も少ないとされている薬です。筋弛緩作用が高いため、緊張型頭痛や腰痛症の改善薬としても使われています。

ロフラゼプ酸エチル(商品名:メイラックス®︎)

めまいや耳鳴りなどの改善のために処方されます。錠剤だけでなく細粒剤もあり、嚥下機能の低下した方にも服用しやすい薬です。

ジアゼパム(商品名:セルシン®︎、ホリゾン®︎)

どちらも脳脊髄疾患で起きる筋痙攣や疼痛などを和らげます。鎮痛効果があるため、麻酔前投与薬として使われる場合もあります。セルシンは錠剤、散剤、シロッ

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