記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
抗コリン薬はアセチルコリンの働きを抑えて症状を改善する薬です。この記事では、抗コリン薬がどのような病気に使われているかを紹介するとともに、考えられる副作用についても解説します。
抗コリン薬は、腹痛や頻尿、呼吸器系の病気、パーキンソン病などで処方される薬です。副交感神経終末から分泌される伝達物質で、副交感神経を亢進させる作用を持つアセチルコリンの作用を抑えることで症状を改善します。
アセチルコリンは、ムスカリン受容体に結合することでその効果を発揮します。ムスカリン受容体には3種類のサブタイプ(M1受容体[胃や脳]、M2受容体[心臓]、M3受容体[平滑筋や腺])があり、この受容体を遮断することで効果を発揮します。
抗コリン薬はさまざまなお薬に使用されています。以下に一例を紹介します。
また、医療用麻薬にも抗コリン薬が使われています。代表的なものとして、モルヒネ(モルヒネ塩酸塩、アンペック®︎、MSコンチン®︎、オプソ®︎)、オキシコドン(オキシコンチン®︎)があります。さらに、風邪などで処方される感冒薬にも抗コリン薬のものがあります。
抗コリン薬で考えられる副作用として、以下のようなものがあります。
なお、眼圧上昇やイレウス、尿閉は非常にまれな副作用といわれています。
抗コリン薬はアセチルコリンの作用を遮断して、副交感神経が亢進してしまうことを防ぐことで効果を発揮する薬です。腹痛や頻尿、パーキンソン病などに使われますが、医療用麻薬や風邪薬などにも使われています。副作用は非常にまれですが、中には治療を必要とするほど重度なものもあります。医師の指示に従って内服するようにし、何か異変があった場合には使用を中止して医師へ相談しましょう。