吸入薬ってどんな薬?どのくらい種類があるの?

2019/5/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など、呼吸器関連の症状を緩和するために使われるのが吸入薬です。この記事では、吸入薬の種類とともに、使用する際の注意点を解説します。

吸入薬ってどんな薬?

吸入薬とは薬を霧状に噴出させる薬で、口から吸い込むことで気管支や肺に作用させることができます。吸入薬は、使用する薬によってデバイスが異なることが特徴です。

ドライパウダー吸入器
粉末状の吸入薬に使用する吸入器です。
エアゾール吸入器
1回分の吸入薬がガスエアゾールとして噴霧されるタイプの吸入器です。
ソフトミスト吸入器
噴霧ボタンを押すと、1回分の吸入薬がエアゾールとして噴霧される吸入器です。

吸入薬は肺・気道に直接作用するので、全身に及ぶような副作用が起こりにくくなります。また、少量で十分な効果を発揮し、その量は経口薬の 1/20~1/10ともいわれています。しかし、吸入される薬剤の肺への到達量によって治療効果が大きく左右されるため、吸入方法が不適切だと十分な効果が期待できません。このため、吸入器によっては高齢者でも吸入しやすいよう補助器具がついたものもあります。

吸入薬にはどんな種類があるの?

吸入薬には4つの種類があります。

吸入ステロイド薬(ICS)
喘息の第一治療薬です。気道の炎症や気道過敏性を抑えて気道が狭くなるのを改善し、喘息発作を予防します。
長時間作用性β2刺激薬(LABA)
喘息発作を予防する目的で定期的に使用されます。気管支平滑筋を弛緩させ、気道を広げる作用があります。
短時間作用性β2刺激薬(SABA)
喘息の発作時に使用します。LABAよりも速やかに効果が現れることが特徴です。
長時間作用性抗コリン薬(LAMA)
COPDの第一治療薬となります。副交感神経の遮断作用により気管支の収縮を抑制し、気道を広げて呼吸を楽にします。

吸入薬を使うときの注意点は?

吸入薬の種類によって、注意しなければならないことがあります。

吸入ステロイド薬
確実に効果を発揮するためには、継続して使用することが必要です。特に、不規則な使い方になると、症状の悪化や発作につながる恐れがあります。また、副作用に口腔内の感染症などがあるため予防として、吸入後は必ずうがいをする必要があります。
長時間作用型β2刺激薬
吸入ステロイド薬と同じく、規則正しく使うとともに、使用後は必ずうがいが必要です。
短時間作用型β2刺激薬
上記2つの薬と異なり、喘鳴、咳が止まらないなどの発作の初期症状が出たときだけ使うようにしましょう。また、1回吸入した後も呼吸が苦しい場合は、2分以上(できれば5分以上)あけて2回目の吸入を行ってください。もし、2回吸入しても症状が治まらないときは、速やかに医療機関を受診しましょう。ほかの吸入薬同じく、使用後にうがいをしてください。

おわりに:疾患によって吸入薬の使い分けを

吸入薬は4つの種類がありそれぞれ効能、効果が異なります。そのため、疾患によって使い分けることが必要です。吸入薬を使用する際には使用するタイミングで薬の効き目が異なるため、必ず医師の指示に従って使用するように心がけましょう。

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