骨粗鬆症を治療するために服用するビタミンK製剤は?

2019/4/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

骨粗鬆症治療薬のひとつに、ビタミンK製剤があります。ほかのビタミンに比べるとなじみが薄いものかもしれませんが、このビタミンKは骨の働きにどのように関係しているのでしょうか。ビタミンKの働きとともに、どのような治療薬があるかや服用時の注意点について解説します。

ビタミンK製剤の働きは?

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨密度低下や骨質の劣化によって骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症の治療で使われるビタミンK製剤は、体内にビタミンKを補うことで、もろくなった骨を丈夫にする薬です。ビタミンKは油に溶けやすく、骨の代謝や血液を固める働きを助けて、骨を作ったり、骨が破壊されるのを抑えて骨を強くする働きをもつほか、出血傾向を抑える作用を持っています。

本来ビタミンKは不足しにくいビタミンですが、肝臓や腸などに特別な病気がある方や、生まれたばかりの赤ちゃんで出血を起こしやすい場合、薬の副作用による出血がある場合には不足することがあります。また、加齢や女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、運動不足などの生活習慣により、健康な骨の維持に必要な代謝のバランスは崩れやすくなります。

ビタミンK製剤は、骨粗鬆症や乳児ビタミンK欠乏性出血症などの治療に用いられます。なおこの薬は、製剤によって使用する症状や病気が異なる場合があります。

骨粗鬆症の治療で服用するビタミンK製剤は?

主に骨粗鬆症による骨量や疼痛の改善に使用されるのは、カプセル剤の「メナテトレノン(商品名:グラケー®)」で、ジェネリック医薬品も何種類か出ています。

骨粗鬆症に使われるグラケー®はビタミンK2の高単位製剤で、腰痛や背中の痛みが改善するとともに、骨密度の増加や骨折予防効果も期待できます。

ビタミンK製剤「グラケー®︎」で起こり得る副作用は?

グラケーは、骨粗鬆症治療薬としては作用がおだやかで副作用もほとんどなく、老人性の軽い骨粗鬆症に向いているといわれています。消化器症状として胃の不快感、吐き気、軟便、下痢などがあらわれる場合がありますが、特に重大な副作用とはなりません。

ただし、抗凝固薬としてよく使用される「ワルファリンカリウム(商品名:ワーファリン®)」は、体内でビタミンKの働きを抑えることで血液をサラサラにする作用をあらわす薬ですので、ビタミンK製剤との併用は原則としてできません(ただし、ワルファリンカリウム投与中におこる低トロンビン血症の場合などはのぞきます)。

万が一、発疹や発赤、かゆみやむくみなどがあらわれた場合には、医師に連絡しましょう。

おわりに:骨の代謝や血液を固める働きを助け、骨をつくる細胞に働きかけて骨を丈夫にします

ビタミンK製剤は、骨の代謝や血液を固める働きを助け骨をつくったり骨が破壊されるのを抑える作用を持つビタミンKを体内に補うことで、骨粗鬆症を改善します。主に骨粗鬆症の治療に使用されるのは、「メナテトレノン(グラケー®)」で、腰痛や背中の痛みが改善するとともに、骨密度の増加や骨折予防効果も期待できます。作用がおだやかで副作用もほとんどないといわれ、老人性の軽い骨粗鬆症に向いていますが、血液をサラサラにする抗凝固薬との併用はできません。

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