うつ病の初期症状としてみられるものは?周囲の人ができることは?

2019/5/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

気分が落ち込むことは誰にでも起こりうることですが、落ち込んだ状態が長期間続いて食欲がなくなったり、今までなら楽しめていたことが手に付かなくなったりしていたら、少し心が疲れているのかもしれません。この記事では、うつ病の初期症状としてどのようなものがあるかをご紹介していきます。

うつ病ってどんな病気?

「うつ病」とは、エネルギーの欠乏によって脳全体にトラブルが生じた状態です。これにより、心理的な症状として憂うつな気分やさまざまな意欲の低下が続き、身体的な自覚症状をともなうこともあります。

通常、私たちは自然治癒力を使ってさまざまな不具合を回復させています。しかし、うつ病になると時間が経っても回復できなくなります。また、悪化してしまうとつらく沈んだ気分がほぼ一日中続き、社会的な活動や日常生活全般に支障をきたすようになります。

うつ病の患者数は近年増加しており(およそ73万人にのぼると報告されています)、16人に1人の割合で、一生で一度以上はうつ病を経験していると推定されています。このことからも、うつ病はだれにとっても身近な病気といえます。

うつ病の初期症状

うつ病は、発症日を特定できる病気ではなく、ふと気づいたら以前とは違う状態になっていることが多い病気です。とはいえ、初期症状のサインがないわけではありません。

家庭で気づきやすいサインとして、以下のようなものがあります。

  • 元気がない
  • 口数が少ない
  • ぼんやりしている
  • 以前からの趣味に興味を示さない

このほか、好物だった食べ物にも食欲がわかないなどがあります。

また、職場で気づきやすいサインとして、以下のようなものがあります。

  • 作業の能率が下がる
  • ミスが増える
  • 集中力が低下している
  • イライラしている

また、悪化すると遅刻や欠勤の増加など、勤務態度に影響があらわれることが多くなります。

うつ病は自覚できない場合が多いため、これらがうつ病の初期症状であることに気づかず、自分を責めたり、思い詰めてしまったために症状を悪化させてしまうこともあります。したがって、周囲の人が異変をキャッチすることも大切です。

身近な人がうつ病かな…と思ったら

心が不調な時に一番大切なのは、安心して休息することです。家庭では、さりげなく気遣うことで安心感を与え、ゆっくりと憩いの時間をとってもらうようにしましょう。病気の進行を防止するだけでなく、回復力を促すことにもつながります。話したいようであればゆっくりと耳を傾け、否定せず、理解してあげようという姿勢で見守りましょう。また、以前と違う状態が続くようであれば、病院に行くことを勧めてみてください。

通院を勧めるときは、うつ病という言葉は使わずに、疲れが抜けない状態が続いているので心配だという気持ちを伝え、できれば初診のときは付き添ってあげると良いでしょう。精神科や心療内科を直接勧めるのは気が引けるという場合には、かかりつけ医に専門医を紹介してもらいましょう。また、電話などによる無料相談機関を利用することもできます。

おわりに:元気がない、ミスが増えるなど、何か様子が違うことに周囲の人が気づくことが大切

うつ病の初期症状として、元気がない、食欲がない、ぼんやりしている、以前からの趣味に興味を示さないなど家庭で気づきやすいサイン、作業の能率が下がる、ミスが増える、集中力が低下している、イライラしているなど職場などで気づきやすいサインがあります。うつ病は自分では気づけない場合が多いことから、悪化する前に周囲の人が異変をキャッチすることが大切です。

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