記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
咳が止まらずに病院へ行くと、咳止めの薬である中枢性鎮咳薬を処方される場合があります。今回は中枢性鎮咳薬の種類やその副作用などをご紹介します。
鎮咳薬(咳止め薬)には、大きく分けて中枢性鎮咳薬と末梢性鎮咳薬の2種類があります。
中枢系鎮咳薬には麻薬性、非麻薬性のものがあり、脳の咳中枢を阻害し、咳を止める働きがあります。また、麻薬性の鎮咳薬の場合には、主な副作用として眠気、習慣性などがみられることがあります。
なお、末梢性の鎮咳薬については、別の項目でご紹介します。
中枢性鎮咳薬には、主に麻薬性と非麻薬性の2種類があります。
麻薬の一種であるコデインは、オピオイド受容体と呼ばれるタンパク質を活性化させることにより、神経細胞の興奮を静める働きがあります。神経細胞の活動を抑えることによって、咳中枢にも働きかけ、咳を抑える効果が期待できます。
交感神経を興奮させる、気管支平滑筋と呼ばれる筋肉を弛緩させることなどにより、気道が広がることで咳症状を改善させる効果が期待できます。
中枢性鎮咳薬は、主に以下のようなものが挙げられます。
中枢性鎮咳薬の主な副作用として、以下のようなものが挙げられます。
吐き気、嘔吐、便秘、めまいなどがみられることがあります。また呼吸中枢を直接抑制するため、呼吸異常や息切れなどが表れる場合があります。そのため、原則として重篤な呼吸抑制がある患者さん、喘息発作中の患者さんには使用しないといわれています。さらに、繰り返し使用することで薬物依存がみられることがあるため、医師の指示の下、慎重に使用することが求められます。
食欲不振、吐き気、眠気などがみられることがあります。アストフィリン®︎を使用した場合には、排尿困難、口渇、血圧上昇などが表れることもあります。またトクレス®︎には、眼圧を上げる可能性のある抗コリン作用があります。そのため、原則として緑内障の患者さんには使用しないといわれています。
鎮咳薬には中枢性鎮咳薬と末梢性鎮咳薬があります。このうち、中枢性鎮咳薬には麻薬性、非麻薬性の2種類あり、薬の種類や剤形も幅広くあります。咳を抑える効果がある反面、依存性が高いといった副作用もありますので、医師・薬剤師の指導にしたがって、正しく服用しましょう。