記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日々気をつけていても、外食などが重なり塩分を摂りすぎてしまった…ということはありませんか。今回は過剰摂取した塩分を排出するのに役立つ食べ物などをご紹介します。
カリウムは体内に最も多く含まれるミネラルのひとつで、余計な塩分を尿として排出させるはたらきがあります。また、血圧を下げるうえで大切な栄養素といわれています。そのほか、塩分(ナトリウム)と同様に細胞の浸透圧の維持調整や水分を保持したり、筋肉の収縮や神経の伝達をサポートしたりするなど、人間の生命維持活動において重要な役割を担っています。
体内に取り込まれたカリウムは、全身に運ばれた後、その多くは腎臓で排出されます。カリウムの量は腎臓での再吸収によって調節されているため、腎臓の機能障害がある場合にはカリウムを排出することが難しくなると考えられています。
カリウムが体内に蓄積すると、嘔吐や悪心、不整脈などがみられる高カリウム血症となることもあります。そのため、医師の指導の下、塩分と同様にカリウムも制限して、血液中のカリウム濃度が正常範囲内に保たれる必要があるといえます。
カリウムはさまざまな食品に含まれますが、特に野菜や果物、いも類などに多く含まれています。水菜、かぼちゃ、なす、キャベツなどに多く、いも類では里芋に最も多く含まれています。またバナナやメロンなどにも多く含まれます。
そのほか、ひじきやとろろ昆布などの海藻類、野菜ジュースや豆乳などの飲み物にも含まれています。ただし、カリウムは水溶性のため、ゆでたり煮たりすることによって水に溶けだします。そのため、効率よくカリウムを摂取するには、果物や野菜は生のまま食べるといいでしょう。
また、蒸す、焼く、電子レンジで加熱するなど、調理法の工夫によってもしっかりとカリウムを摂ることが可能となります。そのほか、味噌汁やスープなどにして食べても、上手にカリウムを摂ることができます。
塩分は、適度な運動によっても排出することができます。普段の生活の中で、掃除などの家事や早歩きなどの運動で構いません。体が汗ばむくらいを目安としましょう。
また、痩せている人は塩分の摂りすぎても高血圧に影響しにくく、太っている人は塩分を体内に蓄積させやすいという報告もあります。有酸素運動は効率よく体脂肪を燃焼させる効果が期待できるだけでなく、血液循環が良くなり、血管が柔らかくなるといわれています。テニスや水泳などの運動に限らず、ウォーキングなど、できる範囲で運動を始めてみましょう。
摂りすぎてしまった塩分も、カリウムを摂ることによって体外に排出しやすくなります。塩分の摂りすぎに気をつけるとともに、カリウムを摂取して塩分を体内に溜めないようにしましょう。ただし、腎臓疾患をお持ちの方はカリウムを排出できないため、摂取が制限されると思いますので、過剰摂取にならないよう心がけてください。