体にちょうどいい塩分濃度はどのくらい?適度な塩分が必要な理由は?

2019/6/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

人間の体に欠かせない塩分ですが、摂りすぎると体にさまざまな悪影響を及ぼします。不調を招かないために、わたしたちはどのくらいの塩分濃度を心がければいいのでしょうか。塩分摂取のコツとともに解説していきたいと思います。

塩分濃度とは

濃度は、液体や気体に含まれているある成分の濃さのことです。なかでも、重さを基準にしたものを質量パーセント濃度といい、塩分濃度は、ある物質や溶液100gに溶けている食塩の重さを算出して、%(パーセント)という単位を使って示します。たとえば、3gの食塩が150gの水に溶けているときは、水1gあたりに含まれる食塩の重さを計算して、100をかけてやれば算出できます。計算式は、塩3g÷水150g×100=2%となります。

塩分の気になる食品や調味料について、一般的な塩分濃度は次のとおりです。

  • 梅干し 20%前後
  • 醤油 薄口 16~18%
  • 醤油 濃口 14~15%
  • みそ 10~13%
  • 海水 3.5%

醤油は濃口のほうが塩分も強いという印象がありますが、実際には薄口のほうが塩分濃度は高くなります。また、みそは、地域ごとに特徴が異なり、大豆、米、麦などの材料と塩の配合が違います。最も塩分が高いのは赤みそで、白みそは低めとなっています。

体内の塩分ってどんな働きをしているの?

塩分は、人間のからだにとって必要な成分です。人間の体液の濃度は基本的には0.9%に保たれており、このバランスが崩れることで体調不良を引き起こすことがあります。体内では、塩化物イオンとナトリウムイオンというイオンの状態で存在しています。血液や骨の中に含まれており、大人の場合は体重の0.3~0.4%含まれているといわれます。

からだの中の塩分は、次のような働きをしています。

細胞を保つ
塩分は、血液や消化液、リンパ液などに含まれて、細胞の中と外の圧力を調整して、細胞が壊れることなく一定のバランスを保つようにコントロールしています。圧力を適切にコントロールすることで、栄養を体内に取り込むことができます。
神経伝達
脳からの司令は神経細胞を伝わって送られ、細胞同士がイオンを受け渡しすることで情報を伝えていきます。ナトリウムイオンは特に必要なイオンのひとつです。
消化と吸収
食べ物の消化のために胃で分泌される胃液のもとになるのが、塩分からつくられる塩化物イオンです。また、小腸で栄養素を吸収するときにも、ナトリウムイオンの存在が必要です。

塩分はからだの働きに必要な物質です。大量の汗や嘔吐、下痢などで体内から急激に塩分がなくなると、口のかわきや頭痛、吐き気、脱力感といった脱水症状があらわれます

逆に、塩分を過剰に取り続けていると、体内の塩分バランスが崩れてしまい、のどの渇きや血圧の上昇、むくみといった症状があらわれることがあります。脳血管障害や、心臓疾患といった生活習慣病のリスクも高くなるため、塩分のとりすぎには注意が必要です。

適度な塩分摂取のコツは?

塩分は、醤油やみそ、ケチャップやソースといった身近な調味料や、ハムやソーセージなどの身近な食材に意外とたくさん含まれています。まずは、どんな食材に、どの程度の塩分が含まれているかを知り、調理方法や食べ方を工夫して、たくさん食べ過ぎないようにしましょう

具だくさんにする

調味料に頼りすぎないようにしましょう。たくさんの具材を入れると、具材から出る旨味によって味わいが深くなります。

スパイスを活用する

ハーブやスパイス、唐辛子、しょうがなどを活用すると、塩が少なくても味にメリハリがつきます。

外食や加工食品を控える

外食のメニューや加工食品は塩分濃度が比較的高くなっています。自炊では過度に使用しないことや、外食でスープを残したり、味の濃いものを大量に食べないなどを心がけて行くとよいでしょう。

漬物や塩辛、つくだ煮に注意

漬物や、塩辛、つくだ煮は塩分濃度が高くなりがちです。食べるときには少量を小皿に取り出しておくと、食べ過ぎの予防になります。

カリウムが含まれた食品を食べる

カリウムは、塩分をからだの外に出すはたらきがあります。意識して食べないと不足しがちとなるため、積極的にとるようにしましょう。わかめ、アボカド、さといもなどに含まれています。

おわりに:塩分は体に必要な栄養素。でも、摂りすぎないよう濃度に気をつけよう

生物のからだを維持するためには、塩分は欠かせない成分です。しかし、過剰にとりすぎれば、さまざまな不調を招き、脳血管障害や心臓疾患など命にかかわる病気にもつながりかねません。塩分は、ふだんの食事を意識することでとりすぎを防ぐことができます。塩分を少なくする工夫をしていきましょう。

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