記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/7/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ビタミンB1は水溶性ビタミンのひとつで、体内でブドウ糖がエネルギーに変わるときに重要な役割を担う栄養素です。この記事では、ビタミンB1の働きや1日あたりの摂取量の目安、食事で摂るときのポイントを紹介します。
ビタミンB1は最初に発見されたビタミンで、科学的には「チアミン」とよばれる水溶性の栄養素です。体内でブドウ糖がエネルギーに変わるときに働く酵素をサポートする補酵素としての大切な役割を持ち、不足すると糖代謝に支障が生じて乳酸などの疲労物質が溜まりやすくなります。
水溶性ビタミンであるため、体に蓄積されない反面、不足しやすく、特に、甘い物やお酒が好きな方や白米を大量に食べる人や運動選手なども不足しがちです。運動時には、蓄えられたグリコーゲンがビタミンB1を触媒としてエネルギーに変わりますが、激しい消耗により不足するとグリコーゲンの不完全燃焼を招いて乳酸が発生し、筋肉を疲れさせてしまいます。
さらに、脳などの神経細胞もブドウ糖のみをエネルギー源とするため、頭や神経を酷使する方も多くのビタミンB1が必要となります。
ビタミンB1は、肉類や魚類、中でも豚肉や魚の血合部分、うなぎの蒲焼きなどに多く含まれています。また、酵母や大豆などの豆類、玄米や全粒粉などの穀類などにも含まれています。ただし穀類のビタミンB1はぬかや胚芽に多く含まれているため、米を精白米にすると少なくなります。
ビタミンB1は、ニンニクやタマネギなどに含まれるアリシンと結合すると吸収率が高くなるため、一緒に食べるのがおすすめです。なお、ビタミンB1は水溶性で熱に弱く、調理で失われやすい欠点があります。日ごろから多めに食べるよう意識しましょう。また、たとえばビタミンB1が豊富な豚肉のゆで汁をスープに利用すると、余すことなく栄養をとることができます。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、ほとんどの人が必要を満たすとされている推奨摂取量を、女性は18~49歳で1.1mg、50~69歳で1.0mg、70歳以上で0.9mg、男性は18~49歳で1.4mg、50~69歳で1.3mg、70歳以上で1.2mgとしています。
ただし、糖質をよくとる方や体をよく動かす方は、より多くのビタミンB1が必要です。ビタミンB1が不足すると、ブドウ糖から十分にエネルギーを作れなくなるため、食欲不振、疲労、だるさなどの症状があらわれるほか、脳や神経に障害を起こすこともあります。重症になると脚気(足の浮腫、しびれ、動悸・息切れ)やウェルニッケ・コルサコフ症候群(中枢神経が侵される障害)を起こし、命に関わる危険性もあるので、不足しないよう気をつけましょう。
ビタミンB1は、チアミンとよばれる水溶性の栄養素で、ブドウ糖がエネルギーに変わるのに必要なものです。不足すると、疲れやすくなったり、脳神経に影響を与えたりします。肉類や魚類、中でも豚肉や魚の血合部分に多く、酵母や大豆などの豆類、玄米や全粒粉などの穀類などにも含まれています。毎日最低1~1.4mgはとるよう心がけましょう。また、水や熱で失われやすいため、調理時に気を付けてください。