記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/9/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
近年、活発に働き方改革などが行われるきっかけの1つにもなっている「過労死」問題。働きすぎによる死はなぜ起こり、どのように定義されているのでしょうか。今回は過労死について、その定義や原因、実際に死に至るまでに現れる前兆のような症状と予防対策まで、まとめて解説していきます。
過労死とは、過度な長時間労働や残業、大きな負荷が伴う仕事を強いられた結果、急激に体調が悪化して突然死してしまうことです。過労死に関する法律である「過労死等防止対策推進法第2条」では、業務上の理由に以下のような状態に陥ることを、過労死と定義しています。
現実的なラインでは、月80時間以上の時間外労働の事実があり、急激な体調悪化から脳疾患や心疾患で亡くなった場合、または自殺した場合に認定されるのが一般的です。
過労死は、働きすぎによって肉体的・精神的負荷が異常に高まった結果起こるとされています。日本人には「働くこと、頑張ることは良いこと」という価値観が根強いため、会社や上司・自分の理想のために、自覚なく心身に過負荷をかけてしまうことも珍しくありません。
少しのつもりの無理が増え、心身が発するSOSに気が付かない、または無視して自身を追い詰めることで過労死が起こると考えられています。
過労死を招く恐れがある前兆として、以下のような症状を挙げることができます。
ただし、人によっては上記のような前兆症状をまったく自覚しないまま突然死を迎えてしまうケースもあります。
過労死を必ず避ける方法は残念ながらないものの、以下のようなことを常に心がけて意識的に心身を休息させ、自分と自分の大切な人を丁寧に扱うことを心がければ、ある程度防ぐことができます。
どんなに好きな仕事でも、自分の命を削って大切な人たちを悲しませてまで続ける価値があるものではありません。過労による悲しい突然死を迎えないために、できる対策は積極的に行ってください。
働くこと、無理してでも頑張ることへの美徳感が強い日本人は、心身からのSOSを無視して働きすぎてしまうことがあります。その結果、急激に体調を崩し脳疾患や心疾患の発症、精神障がいによる自殺から突然死を迎えるのが「過労死」です。多くの場合、過労死には月80時間を超える異常な長時間残業や、手足のしびれや異常なまでの疲れやすさ、心身への違和感など前兆が出ます。こうした前兆を無視せず、休養を取って過労死を予防しましょう。