記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/2/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
骨髄は、私たちの骨の中にある空洞を埋めるように存在している組織です。体内でどのような働きを担い、私たちの健康に貢献してくれているのでしょうか。今回は骨髄の働きについて、異骨髄移植が必要になるケースや移植のおおまかな手順とあわせて、確認していきましょう。
骨髄は、血液を構成する血球と呼ばれる成分のほとんどを製造する工場のような臓器です。また、全身の骨の中に存在し、成人の場合の総重量は2.6kg程度にもなると言われているため、人体最大の臓器でもあります。
血液は赤血球、白血球、血小板の3種類の血球細胞と、血しょうと呼ばれる液体部分から構成されていますが、骨髄ではT細胞を除くすべての血球が造られています。
骨髄で毎日製造される血球細胞の数は約1兆個にのぼり、種類別では以下の通りです。
血球細胞は、赤ちゃんの頃は全身の骨の骨髄から製造されていますが、大人になると胸骨・脊椎・肋骨・骨盤など、限られた場所でのみ製造されるシステムに変わります。
なおいずれの血球も、もともとは骨髄内にある造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)という1つの細胞から、それぞれ変化して誕生しています。造血幹細胞は、既存の白血球が発する「サイトカイン」という種類の生理活性物質の刺激を受けて、3種類のうちどれかの細胞に変化していくのです。
骨髄移植が必要と判断され得るのは、造血器官としての骨髄の機能や細胞に異常ができ、正常は血球をつくれなくなってしまうケースです。具体的には、以下のような疾患で骨髄移植が必要で、かつ、治療に効果が期待できます。
骨髄移植を受けるには、以下のようなステップを段階的に踏む必要があります。
日本で骨髄移植を受けるには、ドナーと移植希望者の間にコーディネーターとして「日本骨髄バンク」が介入するのが一般的です。このため、まずは必要情報を日本骨髄バンクに登録したうえで、ドナー探しやドナーの意思確認、移植スケジュールの調整などを医師とコーディネーターに任せるかたちとなります。
骨髄は骨の中心部に存在する造血器官で、血液を構成する血球細胞と呼ばれる一部の白血球、赤血球、血小板とつくる働きがあります。骨髄のなかにある造血細胞が、サイトカインという物質の影響を受けて、それぞれの血球細胞へと変化するのです。このため骨髄に移植が起こると、造血に深刻な問題が起きて骨髄移植が必要になるケースもあります。日本で得骨髄移植を受けるには、主治医に相談のうえ日本骨髄バンクへの登録が必要です。