副腎ってどんな働きをする臓器?どんなホルモンを分泌するの?

2019/8/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

左右の腎臓の上にある副腎は、小さいながらも体にとって重要な役割を担っている臓器です。この記事では、副腎が体内でどんな働きをしているのかを紹介します。

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副腎ってどこにあるの?

副腎は左右の腎臓の上方にある、わずか1cm程度の小さな臓器です。肝臓や腎臓、脾(ひ)臓や膵臓、大動脈など、重要な臓器に囲まれているため、外側から触れることができません

副腎は、外側の皮質と内側の髄(ずい)質と呼ばれる2つの部分から構成されており、それぞれ数種類のホルモンを分泌しています。副腎で分泌されるホルモンは、炎症を抑えたり、血圧や血糖、水分量や塩分量など、人間の体内のバランスを整えたりする働きをしています。

副腎皮質が分泌するホルモンは?

副腎皮質からは、ステロイドホルモンであるコルチゾールとアルドステロンなどのホルモンが分泌されています。

コルチゾールは、糖質コルチコイド(グルココルチコイド)のひとつです。糖質、タンパク質、脂質の代謝を調節しており、人間にとって必須のホルモンです。コルチゾールは、ストレスを受けたときに分泌が増加することから、ストレスホルモンとも呼ばれています。何らかのストレスを感じたときに、副腎皮質からのアドレナリンといっしょに放出されます。一般的には朝に分泌が多くなり、夜に向けて少なくなるという一定のリズムで分泌されているため、人間の体内リズムを整える役割もあるといわれています。

アルドステロンは、塩分やカリウム、水のバランスを整える役割をはたしています。また、血液の量や、血圧の維持にも重要です。アルドステロンが過剰となると、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、高血圧や多尿、のどの渇きや筋力低下といった症状が起こります。

副腎皮質からは、ほかに女性ホルモンになる前のホルモン(前駆体)も分泌することがわかっています。副腎皮質から分泌されるホルモンは、他の臓器からの分泌がありません。副腎に障害が起こったときには、何らかの方法でホルモンを補充する必要があります。

副腎髄質が分泌するホルモンは?

副腎髄質からは、カテコールアミンであるアドレナリンとノルアドレナリンといったホルモンが分泌されています。分泌されるホルモンのうち、大部分は、アドレナリンとノルアドレナリンが占めているといわれます。

アドレナリンとノルアドレナリンは、自律神経のひとつである交感神経にコントロールされており、心臓や血管、呼吸など、からだの機能をコントロールしています。アドレナリンとノルアドレナリンは、副交感神経よりも交感神経が優位になると分泌されます。アドレナリンは主に心臓にはたらきかけて心拍数を上げ、ノルアドレナリンは血管を収縮させて血圧を上げたりするなどして、からだを興奮状態とします。

アドレナリンやノルアドレナリンは副腎以外でも分泌されているため、何らかの事情で副腎を摘出することになっても、他から補うことができます。

おわりに:副腎の働きは、皮質と髄質で異なります

副腎は左右の腎臓の上部にある、小さな臓器です。副腎は、皮質と髄質に分かれており、それぞれいくつかのホルモンを分泌しています。副腎皮質から分泌されるコルチゾールは、糖質、タンパク質、脂質の代謝を調節する人体にとって必須のホルモンです。コルチゾールは、ストレスに対応するはたらきもすることから、ストレスホルモンとも呼ばれます。副腎髄質からは、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌され、交感神経によるコントロールを受けて作用しています。

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