ストーマの排泄物はどうやって捨てればいい?装具の捨て方は?

2019/8/21

ストーマとは、いわゆる人工肛門・人工膀胱のことで、何らかの疾患などで便や尿の排出経路に問題が生じたとき、腸や尿道を腹部につないで造った排出口のことを言います。この排出口には括約筋などの筋肉がないため、袋を取りつけて排泄物の管理をしなくてはなりません。

今回は、ストーマのうち人工肛門タイプのストーマについて、排泄物の捨て方や装具の処理の仕方、廃棄の仕方についてご紹介します。

ストーマでの排泄はいつ頃から始まるの?

ストーマには大腸(結腸)に繋がれるコロストミー(結腸ストーマ)と、小腸(回腸)に繋がれるイレオストミー(回腸ストーマ)があり、ストーマでの排泄開始時期は、コロストミーとイレオストミーで少し異なります。

コロストミー(結腸ストーマ)
下行・S状結腸ストーマは術後3~5日ごろから機能を開始し、排泄が始まる
上行・横行結腸はこれよりも早いことがある
イレオストミー(回腸ストーマ)
術後1~2日ごろから機能を開始し、排泄が始まる

つまり、ストーマの作られる位置がもともとの肛門から遠いほど、排泄開始が早いと言えます。これは、もちろん食べたものが消化されていく順番によるものです。肛門に近いほど消化されている順番が後になるため、排泄開始時期も遅いということになります。

ストーマによる排泄で体に起こる変化は?

生来の肛門から排泄を行う場合、便意を感じたら自然にトイレに向かい、自分には見えない位置にある肛門から排泄を行ってすっきりとした気持ちになれました。また、便が出るのかガスが出るのかの判断もできていたと思います。もちろん、これらの行為は基本的に介護を必要としていない限り自分ひとりで行うものであり、プライバシーも守られていました。

しかし、ストーマ増設後は排泄経路が変更されるため、肛門からの排泄ではなくなります。括約筋がなくなるため、常に失禁の状態となり、排泄物を管理するためにストーマ装具をつけなくてはなりません。このため、排泄後の爽快感や気持ちよさを感じることもなくなります。それに加え、ストーマは腹部に作られるため、自分から常に見える位置にあるのです。

こうしたことから、生来の排泄習慣と大きく異なる排泄習慣、ボディイメージの変化などによって、患者さん本人の自尊心が低下してしまうことが懸念されます。さらに、術後の排泄物の処理を一時的に他者が行わなくてはならない場合もあり、その場合はより「恥ずかしい」「情けない」などの思いを抱いてしまいがちです。患者さん本人の心のケアが重要となります。

ストーマで排泄した便はどうやって処理すればいいの?

ストーマには括約筋がなく、自力で便を留めておくことができないため、ストーマでの排泄はストーマ装具によって管理することになります。具体的には、ストーマに装着した袋に排泄物(便・ガス)を溜めておき、ある程度溜まったらトイレに捨てます。そして、何日かおきに装具そのものをすべて取り替え、清潔を保ちます

便の排出は、ストーマ袋の約3分の1程度便が溜まる頃が目安です。ただし、装具交換の頻度は使用する装具によって異なりますし、これらの頻度も個人差があります。詳しくは医療機関で説明を受ける際によく聞いておくとともに、疑問点があれば質問しておきましょう。

便の排出方法の一例として、開放型・マジックテープ式閉鎖具付きの場合をご紹介します。

1. 排出口を開ける
左右のマジックテープを静かに外し、排出口をトイレの中に向ける
折りたたんである部分を順に開く
2. マジックテープを留める
排出口の折り上げ板の裏面にあるマジックテープどうしをしっかり留める
3. 便を押し出す
排出口を手で軽く押さえ、速さを調節しながら飛び散らないよう排出する
排出口をトイレットペーパーなどで横方向に拭き取る
4. 排出口を閉じる
2で留めた折り上げ板のマジックテープを外し、元に戻す
封筒のフタを閉じるようにくるくると巻き上げ、左右のマジックテープで留める

基本動作は排出口を開く→排出→拭き取り→元に戻す、という順番です。このとき、排出口が気になって洗ってしまいたくなる人もいるのですが、洗ったときの水分が便と混じってストーマ袋の外側に付着し、臭いの原因になるほか、ストーマ袋の劣化を招き、漏れの原因にもなりますので排出口は乾いたトイレットペーパーなどで拭き取るだけにしておきましょう。

取り替えた装具はどうやって処分すればいい?

ストーマ装具を交換したときは、古い装具を処分する必要があります。ストーマ装具は排泄物が入っていたり、排泄物に触れていたものですから、一般的には「おむつ」「生理用品」などと同様の扱いになります。ただし、地域によってストーマ装具の取扱は異なりますので、住んでいる地域の管轄のゴミ処理場に一度確認しておきましょう。

普通ゴミ(可燃ゴミ)の有料化が実施されている地域では、袋に「ストーマ装具」と書いてあれば無料で回収してくれる地域もあり、血液や体液が付着したものと同じ、指定の医療廃棄物として専用のゴミ袋に入れて廃棄しなくてはならない地域もあります。回収頻度も地域ごとに、一般ゴミとして週3回の地域と、医療廃棄物として週2回の地域で異なります。

このように、回収は毎日ではなく、地域によっては週に2回しか回収日がない場所もあります。つまり、回収日から次の回収日まで日があくこともありえますので、次の回収日まで悪臭が出ないよう、蓋つきのゴミ箱に捨てるのが良いでしょう。加えて、ゴミ箱内に消臭剤・重曹・コーヒーの出し殻などを入れておくと防臭効果が期待できます。

さらに、装具を簡単に密閉状態にできるラッピングテープなども販売されています。このラッピングテープは単に密閉するだけでなく、中身を見えない状態にしてくれるため、最終的にゴミ袋を捨てる際にも中身を見られず捨てることができます。

自宅でなく外出先で交換することになった場合、男性用のトイレには汚物処理用のゴミ箱が設置されていないことも多いため、男性はできるだけストーマ保有者用のトイレである「オストメイト対応トイレ」を探して入りましょう。オストメイト対応トイレには必ず汚物処理用のゴミ箱が設置されていますので、オストメイトの誰でも安心してストーマ装具の処理を行えます。

また、予定外の交換をしなければならない場合に備え、いつでも予備の装具や不透明なビニール袋を持ち歩いておくとより安心です。

おわりに:ストーマの排泄物はトイレに流し、装具は汚物入れか地域の指定に従いましょう

ストーマの排泄物は装具に取りつけた袋に溜めておき、だいたい袋の3分の1程度溜まったらトイレに排出し、何日かおきに装具ごと交換します。このような排泄習慣の変化によって、患者さんの自尊心が傷ついてしまうことも考えられますので、患者さん本人の心のケアも大切です。

また、ストーマ袋を含めた装具の廃棄方法は、トイレでは汚物処理用ゴミ箱に、地域では指定の方法に従います。管轄のゴミ処理場に確認しましょう。

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