食中毒を引き起こすこわいキノコは?食用キノコも要注意ってホント?

2019/9/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

キノコは市販されているもの以外にも、日本の山林に多く自生していますよね。
秋になると、山に入ってキノコ狩りを楽しむ人も多いのではないでしょうか。
今回は、キノコを食べるうえで知っておきたい食中毒を起こすキノコについて、危険なものの見極め方や食中毒の予防法とあわせて、解説していきます。

食中毒の原因となるキノコの種類は?

食中毒を引き起こす代表的なキノコとして、以下の4種類があります。

ツキヨタケ
食後30分から1時間程度で、嘔吐・下痢・腹痛などの症状を引き起こす
クサウラベニタケ
食後20分から1時間程度で、消化器症状や瞳孔の収縮、発汗、唾液分泌などの症状を引き起こす
テングタケ
食後30分程度で、嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状のほか、瞳孔の収縮、発汗、めまい、呼吸困難、けいれんなどの神経症状を引き起こす。過去には中毒による死亡例あり
ニセクロハツ
食後30分から数時間以内に嘔吐・下痢などの消化器症状が始まり、その後24時間ほどで横紋筋の溶解による全身筋肉痛、呼吸困難が起こる。過去に中毒による死亡例あり

また、上記の食中毒の原因となるキノコに見た目が似ていて、間違えられやすい食用キノコとしては、以下の10種類が知られています。

食中毒を起こすキノコと見た目が似ている、食用キノコの例
ヒラタケ、ムキタケ、シイタケ、ウラベニホテイシメジ、ハタケシメジ、ホンシメジ、ナメコ、クリタケ、ナラタケ、ナラタケモドキ

食用のキノコかどうかを見極める方法、これってホント?

一般的に信じられている「食用キノコの見分け方」の中には、根拠がないものもあります。実際、以下に紹介する見分け方はすべて迷信で、信じてはいけないものです。

根拠がない、食用キノコを見分けるウソの方法
  • 軸が縦に裂けるキノコは食用である
  • 茶色など、地味な色をしたキノコはすべて食用にしてOK
  • 虫が食べているキノコなら、人間も食用にして良い
  • カサの裏がスポンジ状になっているキノコはすべて食用である

野生のキノコが食用にできるかどうかを、一般人がキノコの色や見た目、感触や裂け方から判断するのは不可能です。

キノコの食中毒を防ぐには?

先にも述べたように、一般人が野生のキノコを食用かどうか見極めるのは非常に困難です。キノコによる食中毒を防ぐには、食用かどうかを判断できないキノコには手を触れず、絶対に食べないようにすることです。正体のわからないキノコは、「採らない」「食べない」「譲渡しない」ことを徹底してください。

食用のキノコも油断は禁物!

シイタケをはじめ、一般的に市販されている食用キノコの一部にも、微量の毒性成分が含まれていることがわかっています。
このため、一度に大量に食べたり、十分に加熱しないまま食べた場合に、皮膚炎などアレルギー様の症状を引き起こした例も報告されています。

ただ、食用キノコの毒性成分は非常に熱に弱いため、基本的には十分に火を通せば人体に害は及びません。食用キノコでも食中毒の可能性があると正しく理解し、市販されているキノコも必ず十分に加熱してから食べてください。

おわりに:野生のキノコを食べるのは危険!食用キノコの食べ方にも注意を

日本に自生しているキノコで食中毒を起こすとして広く知られているのはツキヨタケ、クサウラベニタケ、テングタケ、ニセクロハツの4種類です。これらのキノコを食べると、消化器の他に神経にも中毒症状が起こり、死亡する可能性も出てきます。食用かどうかを判断できない野生のキノコは、絶対に触らず・食べず・譲渡しないでください。また食用キノコにも微量の毒性成分がありますので、十分に加熱調理して食中毒を予防しましょう。

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