記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/12/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
吐き気や胃の痛み、胃腸炎などの症状に対し処方されるお薬の一種に「ネキシウム®」があります。
今回はネキシウム®がどのようなお薬なのか、その作用のメカニズムと効き目、特徴、起こり得る副作用と使用上の注意点まで、まとめて解説していきます。
ネキシウム®は胃酸の分泌を抑え、胃の痛みや炎症、また炎症による胸焼け、胃潰瘍、逆流性食道炎などの症状を和らげる効果のあるお薬です。また胃酸の過剰分泌やアスピリンや非ステロイド性抗炎症薬などの鎮痛剤による影響、ヘリコバクター・ピロリ菌による胃痛の緩和にも有効です。胃酸の分泌に関わっている胃粘膜の酵素(H+、K+_ATPase)と結合することで、胃酸の分泌を抑えることで効果を発揮します。
薬の種類としては、強力な胃酸の分泌抑制作用のあるプロトポンプ阻害薬・PPIに分類され、近年では胃潰瘍や逆流性食道炎の第一選択薬となっています。効き目に個人差が少なく、安定した臨床効果が期待できることと、プロトポンプ阻害薬で唯一、小児への用法・用量制限がされている点を特徴として挙げることができます。
ネキシウム®は比較的副作用の少ないお薬ですが、服用時には、以下のような副作用が起こるリスクがあります。
また発症頻度は少ないものの、人によっては、ネキシウム®服用により以下のような重篤な副作用が起こる可能性があります。
このような症状の兆しが見られたら、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
以下の条件に当てはまる人は、ネキシウム®服用による副作用が現れやすいです。服用には注意が必要ですので、必ず処方前に医師に自身の持病や体質について報告・相談して、慎重に服用してください。
また、以下のような薬とネキシウム®を併用すると、どちらかの薬の効果を増幅・減少させたり、副作用が現れやすくなるので注意が必要です。
ネキシウム®は医師の判断・指示を仰ぎながら、症状にあわせ慎重に服用してください。
ネキシウム®は胃粘膜に存在する酵素と結合し、胃酸の分泌を抑え胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎による痛みや不快症状を軽減する薬です。強力な胃酸分泌抑制作用のあるプロトポンプ阻害薬であり、小児への用法・用量制限が設けられていますが、副作用が現れることは少ないとされます。近年では胃潰瘍や逆流性食道炎の第一選択薬となっていますが、人によっては副作用が出ることもあるので、医師に指示された用法・用量を守り服用してください。